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冨安健洋プレミア移籍を吉田麻也が予言していた? 現地番記者が知る《モウリーニョ時代から注目していたトッテナムから急転アーセナル》の真相 

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田嶋コウスケ

田嶋コウスケKosuke Tajima

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posted2021/09/13 17:02

冨安健洋プレミア移籍を吉田麻也が予言していた? 現地番記者が知る《モウリーニョ時代から注目していたトッテナムから急転アーセナル》の真相<Number Web> photograph by Getty Images

アーセナル移籍が決まった冨安健洋。サウサンプトン時代の吉田麻也の“予言”も興味深い

 ボローニャと移籍金2000万ユーロ(約26億円)で一度は合意したものの、支払い方法をめぐって衝突。「一括払い」を求めるボローニャに対し、タフ・ネゴシエーター(手強い交渉相手)として知られるトッテナムのダニエル・リービー会長は「分割払い」の線を譲らず、交渉は平行線をたどった。

アーセナルにとって冨安こそ「理想のターゲット」に

 そうこうしているうち、8月13日にプレミアリーグが開幕する。トッテナムではユース出身のDFジャフェット・タンガンガが右SBとしてプレシーズンから好調で、シーズン開幕後も力強いプレーでリーグ3連勝に貢献。クラブ陣営の中で右SBの補強に焦りがなくなると、市場の閉幕間際にはバルセロナからブラジル代表DFエメルソンを釣り上げ、結果として冨安獲りから撤退することになった。

 エバートンやウェストハム、ウォルバーハンプトンも関心を示していたが、ここで交渉の主導権を握ったのがアーセナルだった。右SBのエクトル・ベジェリンが昨夏からクラブに退団希望を伝えており、アーセナルも同位置でプレーできる選手の補強が必須事項だった。

 当初アーセナルのスカウティングチームは、トッテナムが獲得したエメルソンの補強を進言していた。しかし、ミケル・アルテタ監督を含むコーチ陣は、ブラジル代表DFのプレースタイルがチームに合わないと判断。むしろCBと右SBを兼務でき、エメルソンよりも守備能力の高い冨安の方がチームに合っていると考え、日本代表DFこそ「理想のターゲット」と結論づけた。

 最終的にアーセナルが移籍市場の最終日に日本代表と契約。こうした紆余曲折を経て、8月31日に「アーセナル冨安」が誕生したわけだ。

アルテタ監督がデビュー前に話していた起用法とは

 では、冨安はアーセナルでどのような使われ方をするだろうか。アルテタ監督は次のように話している。

「我々はトミ(冨安)をしばらく追っていた。センターバックや3バックの一角でプレーできるユーティリティ性のあるサイドバックを必要としていたが、彼にはその能力がある。まだ22歳と若いが、セリエAと代表戦で多くの良い経験を積んでおり、我々が探し求めていたクオリティを備えている」

【次ページ】 「右サイドでクオリティをもたらしてくれる」

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