甲子園の風BACK NUMBER
順延続きの甲子園に“振り回された”各校応援団の本音…「コンクールの練習ができない」「宿泊経費のために募金」「3回滋賀にトンボ返り」
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph byYukiko Umetsu
posted2021/08/25 11:01
2019年夏、アルプススタンドで応援する智弁和歌山高校応援団。 来年こそは満席の応援席で、密を気にせず大声で応援出来るだろうか
荒天での応援には、事前録音音源の使用も有効
日程消化の都合もあったのであろう。雨が降っていても試合を開催・続行した日もあったが、悩ましいのがアルプススタンドの吹奏楽部だ。特にクラリネットやサックスなどの木管楽器は、雨に濡れて故障すると、ひび割れなどの修理が必要になる。今回のように、急などしゃ降りやゲリラ豪雨になったりすると最悪で、これまでの甲子園取材でも、生徒たちが大急ぎで球場内部の通路に避難する場面を何度も目にしてきた。
もちろん、急な雨に備えて楽器にかぶせるビニール袋やタオル、大きな打楽器を保護する毛布などを用意してきてはいるが、甲子園のグラウンドが、短時間で田んぼのようになってしまうほどの異常な豪雨では、これくらいでは対応しきれない。
暑い日の応援も大変だが、雨の日はもっと大変な吹奏楽部。今回実施している事前録音音源による応援システムは、予測できない異常気象にもとても有効だと感じた。
ベスト16が出揃い、残り数試合となった甲子園。とにかく天候に恵まれることを願うばかりだ。