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順延続きの甲子園に“振り回された”各校応援団の本音…「コンクールの練習ができない」「宿泊経費のために募金」「3回滋賀にトンボ返り」

posted2021/08/25 11:01

 
順延続きの甲子園に“振り回された”各校応援団の本音…「コンクールの練習ができない」「宿泊経費のために募金」「3回滋賀にトンボ返り」<Number Web> photograph by Yukiko Umetsu

2019年夏、アルプススタンドで応援する智弁和歌山高校応援団。 来年こそは満席の応援席で、密を気にせず大声で応援出来るだろうか

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梅津有希子

梅津有希子Yukiko Umetsu

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 台風や雨天の影響で順延が続き、異例の状況となっている夏の甲子園。兵庫県に緊急事態宣言が発令されたため、22日以降は吹奏楽部やチアリーディング部などの応援団が入場不可となったが、21日までは許可されており、吹奏楽部は「奏者は50人以内」「距離を取って演奏する」などの条件付きで演奏が許されていた。

 学校判断などで吹奏楽部が来られない学校は、事前に録音した音源を流すことで対応したが、アルプススタンドからは2年ぶりに元気な生演奏が流れ、ガラガラの客席を除いては「いつも通りの甲子園」といった雰囲気だった。

 ところが、順延に次ぐ順延で、吹奏楽部も天候に振り回されることに。

3回“とんぼ返り”した近江、郡山に引き返した日大東北

 本来なら17日の第2試合だった近江(滋賀)の吹奏楽部は、朝4時に滋賀を出発。甲子園に到着していたが、順延が決まり学校に引き返した。翌18日は、学校から1時間ほどの草津パーキングエリアで待機しながら様子見。再び順延が決まったため、とんぼ返り。19日も同様で、現地を出発していたが三たび、とんぼ返りし、「三度目の正直」とはならなかった。結局、ようやく試合が開催されたのは20日だった。

 遠方の学校に比べると、学校から甲子園までは約2時間と恵まれた立地ではあるが、1回の応援のために、結果的に4回も団体バスを用意することに。天候を責められないとはいえ、経費のことを考えると、学校関係者はさぞ頭が痛かったことだろう。

【次ページ】 「コンクールの練習ができない」「宿泊用の経費が…」

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