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「戦術的にも磨かれていた」中西哲生が感じた“NZの緻密さ”…日本は優勝候補スペインをどう崩すか? 

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中西哲生+戸塚啓

中西哲生+戸塚啓Tetsuo Nakanishi + Kei Totsuka

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posted2021/08/02 17:04

「戦術的にも磨かれていた」中西哲生が感じた“NZの緻密さ”…日本は優勝候補スペインをどう崩すか?<Number Web> photograph by JMPA

31日に行われた日本対ニュージーランド戦はPK戦までもつれ込み、日本が2大会ぶりとなるベスト4入りを決めた

 PK戦の準備もしていたでしょうし、コーチングスタッフには川口能活GKコーチがいた。PK戦は運とも言われますが、準備も大切です。国際舞台でPKに無類の強さを見せた元日本代表GKがスタッフにいる。これもまた準備のひとつであり、日本サッカーの歴史の一面を見た気がしました。

徹底マークされた久保は……

 PK戦へ突入するまでの攻防をまとめると、「うまく守られた」と言うことができます。ニュージーランドは相手の良さを消しながら自分たちの良さを出す、という戦いかたに慣れている。それでいて、5-3-2から4-4-2へスムーズにシステム変更したように、戦術的にも磨かれていました。

 スカウティングも緻密でした。日本の特徴を確実に消してきた。とりわけ、久保建英への警戒は厳重でした。

 ワンタッチでボールをさばいたり、フリック気味のパスで局面を打開したりするのは彼の特徴のひとつですが、この試合ではなかなかパスが入ってこなかった。シュートへ持ち込む場面はありましたが、コンビネーションは発揮できなかった。

 それだけに、「次の準決勝では」という思いは強いでしょう。試合後には珍しく自分が勝利に導くという気持ちでスペイン戦に臨む、と話しました。

スペインにボールを握られる可能性が高いが…

 試合の構図としては、7月のテストマッチの前半に似た展開になると予想します。スペインにボールを握られる可能性が高いでしょう。

 攻撃の機会が限られる展開で、久保はワンチャンスを狙っていくはずです。堂安律の先制点をアシストした前回の対戦でも、計算されたポジションを取っていました。ビジャレアルのチームメイトだったCBのパウ・トーレスをはじめとして、相手守備陣の特徴は把握できている。ボールを握られたとしても、精神的に焦れてポジションを下げることはないでしょう。

【次ページ】 大切なのは「頻度」ではなく「場所」

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