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三笘薫「使命感、自然体」 旗手怜央「カオルの存在が僕を…」 “もう1つの大舞台”ACLを東京五輪へのブーストに
text by
いしかわごうGo Ishikawa
photograph byEtsuo Hara/Getty Images
posted2021/06/26 06:00
フロンターレで成長を果たした三笘薫(右)と旗手怜央。ACL、東京五輪ともに活躍が見逃せない(2020年撮影)
「僕自身はカオルにはなれないですし、カオルも僕みたいなプレーはできないと思う。なので、良いライバルだったんですけど、僕自身は比べないようにしようとしていました。ただカオルの存在が、僕を上に高めてくれましたし、成長させてくれるきっかけでもありました。本当にいいチームメイトを持ったなと思ってます」
この日の2人の元には、きっと祝福の連絡が止まらなかっただろう。
ACLは五輪の前哨戦ではなく真剣勝負
ただ、その喜びばかりにも浸っていられない現実がある。日本時間27日深夜から、Jリーグ王者の一員としてアジアの頂を目指していく戦いがウズベキスタンで幕を開けるのである。ACLのタイトルはチームの悲願でもあり、彼ら2人にとっては、五輪前に行われるもう1つの大舞台だ。五輪前の前哨戦などでは決してなく、全力を出し切る真剣勝負の場となる。
ACL初戦を控えた指揮官の鬼木達も、「五輪のために戦うACLではない」と言い切り、「五輪もACLも、中2日でタフなスケジュールで戦い続けることは意義がある」と、両者の成長を促す舞台になると捉えている。
「この五輪に当確したタイミングで、ACLを戦えるのはポジティブなことだと思ってます。五輪で活躍するためには、このACLで外国人選手との対戦は、すごくポジティブな材料になる。こういうしっかりとした場で、激しい身体のぶつかり合いなどを経験するのは、必ず自信になると思います」
川崎で積み上げた己の自信を、さらに強固にするために。
アジアの舞台に臨む若者2人は、いまは自分のどんな武器でも磨きたいに違いない。そして、この場所で研ぎ澄まされたものは、東京五輪に持ち込む大きな財産になっていくはずだ。