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東京五輪代表から巨人・岡本和真がまさかの“落選”!?…好不調の波と「大事な場面」で“めっきり減ってしまう”ものとは
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKiichi Matsumoto
posted2021/06/12 06:01
昨年のセ・リーグ本塁打、打点の2冠王の岡本だが、東京五輪代表入りはかなわないのだろうか
「プレミア12」では登録選手が28人だったのに対して、五輪で登録できるのは24人と人数を減らさなければならないということだ。しかも「プレミア12」代表でも、あれから1年半が経過し、選手を取り巻く状況が変わった部分もある。
そうした配慮をしながらの選考だったが、最大の焦点となったのが三塁手だったという。
2人とも代表に入れて、どちらか1人を指名打者に?
「プレミア12」での正三塁手はソフトバンクの松田宣浩内野手だった。松田は単なる三塁手としてだけではなく、国際試合での経験も豊富でさまざまな場面でチームメイトに声をかけ、ベンチでも選手を鼓舞するなどチームリーダーとしての役割も大きかった。その点を稲葉篤紀監督も高く評価していた。
ところが今年で年齢的にも38歳となり、昨年は打率2割2分8厘と低迷するなど、プレーヤーとしては下り坂にあることは否めない状況だ。
そこで松田に代わる正三塁手候補となったのが、岡本とヤクルトの村上宗隆内野手の2人だったのである。
ともにこの2年間の実績は申し分なし。
多くの関係者が2人を代表に入れて、どちらか1人を指名打者として起用するのではという予想をしていた。
問題となった、岡本の好不調の波の大きさ
しかし選考の過程で問題となったのが、岡本の好不調の波の大きさだったのである。
実は今季も岡本は開幕から不調と好調の波を繰り返している。
開幕から約1カ月の間はスランプが続いて今季1号は15試合目となる4月11日の広島戦。そこから再び沈黙が続き21日の阪神戦で1試合2本塁打をマークすると徐々にエンジンがかかって、27、28日のヤクルト戦では2試合連発と量産態勢に入る。
そうして5月には9本塁打を放って、本塁打王争いを演じるまでになっていった。
ところが6月に入ると、またピタッと快音が聞かれなくなってしまったのだ。