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「タキはリバプールの長期構想に入っているが…」現地の重鎮記者が南野拓実に“もう1年サウサンプトン”を薦める理由
posted2021/06/01 17:01
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
Getty Images(L/R)/JMPA(C)
プレミアリーグの2020-21シーズンは、マンチェスター・シティの戴冠で幕を閉じた。そして、サウサンプトンにレンタル移籍した南野拓実も、コロナ禍で無観客試合が続いた異例のシーズンを終え、現在は日本代表に招集されている。
南野の今季成績を振り返ると、シーズン前半は所有権のあるリバプールで9試合(先発は2試合)に出場し、1ゴールを記録。後半戦から加入したレンタル先のサウサンプトンでは10試合(先発は9試合)に出場し、2ゴールを挙げた。在籍2季目となったプレミアリーグで飛躍が期待されたが、十分な結果を残せなかったというのが実情だろう。
サウサンプトンでも常時スタメンではなかった
特に、出番増と結果を期待されたサウサンプトンでのレンタル移籍は、不完全燃焼に終わった印象が強い。デビュー戦となったニューカッスル戦でGKの肩上を抜く豪快なゴールを決め、出場3試合目のチェルシー戦で鮮やかなキックフェイントから2点目を奪取。ここから勢いに乗ると思われたが、2月20日のチェルシー戦での得点が最後になった。
また、常時先発していたわけではなく、ベンチスタートの試合も少なくなかった。ただし、この点はラルフ・ハーゼンヒュットル監督の起用方針が響いた。
攻守両面で「アグレッシブなプレー」と「豊富な運動量」を求める戦術は、選手の体力を著しく消耗させる。「1週間に複数の試合をこなすのは不可能。特にミナミノの場合は、シーズン前半戦で出番が少なかった」(ハーゼンヒュットル監督)とし、積極的にローテーションを組み込んだ。実際、チェルシー戦でゴールを決めた3日後のリーズ戦はベンチスタート。それ以降は1週間に1試合のペースで出番が与えられた。
代表戦後ベンチが増えたが……実際の出来はどうだった?
リズムが狂ったのは、3月に行われた日本代表戦がきっかけだった。代表戦直後のバーンリー戦(4月4日)は「移動と試合で疲れが見える」(ハーゼンヒュットル監督)との理由でベンチ行きを命じられた。このタイミングで故障していた選手が次々と復帰し、結果として3試合連続でベンチスタートになった。
それでも5月のシーズン終盤4試合で3試合に先発し、最終的に、出場資格のあったリーグ戦17試合のうち10試合に出場した。
では、パフォーマンスはどうだったか。