Jをめぐる冒険BACK NUMBER
川崎・田中碧が意識する「デヨング、デブライネ、ブスケッツ」と“それ以上”の目標設定とは?「自分にはそれが可能だと思っていて」
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byNaoki Morita/AFLO
posted2021/05/05 11:05
田中碧はアルゼンチン戦で見せたようなプレーぶりを、継続して代表の舞台でも見せられるか
ブラジルと対戦してすごく差があると感じた
――この2年間、フロンターレで試合に出始めて、右肩上がりに成長を遂げてきたと思います。自分の中ですごく伸びたと感じる時期、ターニングポイントと言える時期はありますか?
「試合に出始めたのがすごく大きかったと思います。19年は優勝できなかったですけど、初めて代表に呼んでもらったり、いろんな経験を積んで目指す場所が変わったことが成長を促してくれたのかなって。最初は試合に出たい一心でやっていたけど、試合に出られるようになっていろんな課題が見えて、さらに代表に行って、世界はすごく広いんだなって感じた。それで、自分の目標が必然的に変わったというか。世界の選手たちと対等にやりたい、日本代表に入りたいって本気で目指すようになったことが、自分にとって一番大きな変化だと思いますね」
――初めて代表に呼ばれた19年6月のトゥーロン国際大会の直後、7月のFC東京戦で田中選手のパフォーマンスに驚いた覚えがあります。トゥーロン国際大会後ということで、今言ったような意識の高まりや変化があったわけですか?
「そうですね。ブラジル代表と対戦して、すごく差があると感じたんです。もちろん、フロンターレも素晴らしいチームだし、うまい選手がたくさんいるけど、やっぱり世界は全然違うんだなって。もっともっと個人能力を伸ばしていかないと、世界では戦えないなってすごく感じて。そうした気持ちで試合に臨んだから、いいパフォーマンスを出せたのかもしれませんね」
五輪グループステージ、僕は行けるんじゃないかと
――さて、東京五輪のグループステージの対戦相手が、南アフリカ、メキシコ、フランスに決まりました。率直な感想を教えてください。
「僕は行けるんじゃないかなって。どこが来てもそんなに変わらないし、別に、突破できないな、という感じはしなかったですね」