Jをめぐる冒険BACK NUMBER
川崎・田中碧が意識する「デヨング、デブライネ、ブスケッツ」と“それ以上”の目標設定とは?「自分にはそれが可能だと思っていて」
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byNaoki Morita/AFLO
posted2021/05/05 11:05
田中碧はアルゼンチン戦で見せたようなプレーぶりを、継続して代表の舞台でも見せられるか
憲剛、大島&守田の特長を全て盗んだような選手に
――中村憲剛さん(昨年限りで引退)、大島僚太選手、守田英正選手(現サンタ・クララ/ポルトガル)と、タイプの異なるボランチの先輩たちから多くの影響を受けてきたと。
「間違いないですね。本当に素晴らしい選手たちとサッカーをやってきたので、そういう選手たちの特長をすべて盗んだような選手になりたいなって素直に思ったので。だからこそ、何かができるようになっても、何かができていないと感じてしまうんですけどね(苦笑)」
――ヨーロッパで意識する選手はいますか?
「(フレンキー・)デヨング、(ケビン・)デブライネ、(セルヒオ・)ブスケッツ、この3人は比較的、見ますね」
常に期待し続けていれば自分の力になる
――先ほど話していたアンカーとしてバランスを取るという点はブスケッツのようでもあるし、インサイドハーフだったらデブライネみたいに運んでシュートも狙う。究極のオールラウンダーという点ではデヨング。まさにこの3人や憲剛さん、大島選手、守田選手の特長を全部自分のものにしたいと。
「そうしたいし、自分にはそれが可能だと思っていて。これまでも、できなかったことが少しずつできるようになってきましたから。自分の可能性を自分で閉ざすと、そこで終わってしまうんですけど、自分にはできるんじゃないかって常に期待し続けていれば自分の力になることを、この1、2年ですごく感じたんです。だから、自分の可能性を信じている限り、この先もどこまででも成長し続けられるんじゃないかなって」
――プロ入りしたものの、公式戦にまったく出場できなかった2017年ごろには、今の自分の姿を想像できなかったのでは?
「まったくですね。数年後にオリンピックを目指しているなんて想像できなかったです(笑)。だからこそ、自分はもっと遠いところまで行けるんじゃないかと思うし、誰も見たことのない世界を自分の目で見られるんじゃないかなって。それを自分では信じていたいし、そのためにやりたいなと思います」