「投手の先発完投を目指すという部分では、実はDH制というのも大きなテーマになるはずです。やっぱりいまのセントラル・リーグというのは9人野球と言われますけど、逆に起用する選手の数はパ・リーグより多くなる野球なんですね。

　ピッチャーだってもっと投げさせたいと思っても、やっぱり5回、6回でビハインドを1点、2点、3点と追いかけていれば替えざるをえないですよ。3回、4回なら我慢してというのはあるけどね。そういう野球の中でピッチャーの意識、技術というのを上げていかなければならない。何かをしなければならない。僕の中で桑田という名前が挙がったのもそういう考えがあったからなんです」

「動きそうで動かない。そういう野球を目指します」

――この2年間の野球は確かにセ・リーグを勝ち抜くためには、1つの最善であった。しかし、日本一を目指すためには決定的に足りないものがある。そのための改革に着手するということですね。

「結果的にどうなるかは分からない。それはまずペナントレースを勝つことが1番の目標ですから。そのためには必死でやりますよ。ただ今年の巨人は試合に出場する選手が11人、12人、13人の野球で勝っていく。その考え方が僕の中で大きくチェンジした部分です。今までのチームというのは動きそうで動いて、やっぱり動いたなと周りも見ていたでしょう。でも今年のチームというのは、何というかな……動きそうで動かない。そういう野球を目指します。落ち着いた野球をしますよ、今年は！　どこまで落ち着けるかの問題だけどね」

――その落ち着いた野球のためにはどうしてもレギュラーの固定化は必要ですね。

「いままではみんなで勝ってきた。それも1つの戦略、戦術ではありました。去年までのジャイアンツというのは、そういうチームだったから。そうでなければ相手に太刀打ちできなかった。でもそういうチームから今年は安定したメンバーで、少なくとも、数試合に1回は完投投手、完封投手がでてくるチームにしたい」

「今年は起用する選手の数は減るよ」

――それを実現するには個々の選手のレベルアップしかない？

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