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南野拓実サウサンプトン電撃移籍の真相 現地識者も指揮官も「Win-Win」「助けになる」と喜ぶワケ【英国発】

posted2021/02/06 17:01

 
南野拓実サウサンプトン電撃移籍の真相 現地識者も指揮官も「Win-Win」「助けになる」と喜ぶワケ【英国発】<Number Web> photograph by Getty Images

リバプールのクロップ監督は買い取りオプション付きを拒否したという。サウサンプトンに行くことになったが、南野拓実への期待値は今も高い

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田嶋コウスケ

田嶋コウスケKosuke Tajima

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 リバプールの南野拓実が、イングランド南部のサウサンプトンにレンタル移籍することになった。今シーズン限りの期限付きとはいえ、突然の移籍発表だった。

「リバプールとサウサンプトンが南野のレンタル移籍で基本合意」との一報が入ったのは、冬の市場の最終日となる英国時間1日の22時過ぎ。書類手続きが完了し、両クラブから正式発表がなされたのは2日の午前1時だった。報道によると、サウサンプトンがリバプールに南野の獲得を打診したのは1日の朝。協議開始からわずか11時間で基本合意に達したという。英メディアもまったく察知していない、まさに電撃移籍となった。

英国でも今回の移籍は「サプライズ」扱い

 英国のスポーツ番組でも、南野のレンタル移籍を「サプライズ」と取り上げ、次のようなやり取りが繰り広げられた。

 司会者が「ファビーニョやナビ・ケイタといった他国のリーグからやってきた選手に対し、ユルゲン・クロップ監督はプレミアリーグに適応させるためにチーム内で十分な時間を与えてきました。ゆっくり適応させていた印象です。レンタルに出された南野は、彼らとは違う扱いを受けたということでしょうか」と質問をぶつけると、元イングランド代表DFで現解説者のダニー・ミルズ氏は「そうは思わない」と返答。次のように言葉をつないだ。

「南野は非常に良い選手だと思うが、極めて難しい状況に置かれていた。モハメド・サラー、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノ。言うまでもなく、この3トップはリバプールで絶対的な存在だ。ここに、夏の市場でディオゴ・ジョタが加わった。4人の壁を破るのは、いくら優れた選手であっても簡単なことではない。

 しかも、オーストリアリーグからやってきた南野の場合は、まずプレースピードの速いプレミアリーグに適応する必要がある。本来なら、出場機会を増やしながら自信と安定感を身につけたかった。だが、試合に出ないことには始まらない。今のリバプールの前線で出番を得るのは難しく、クロップ監督もそんな余裕はないのが実情だろう。それゆえ、レンタルで実戦経験を積ませるのは、非常に理にかなった選択だと思う」

【次ページ】 「南野にとって実りの多い移籍であると」

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