酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
プロ野球投手の出身地別セーブ+ホールド数(2020年)を日本地図にすると… 国内に限れば1位兵庫、2位東京だが
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama/JIJI PRESS
posted2021/02/04 11:03

抜群の安定感を誇る西武の増田達至、日本ハムの宮西尚生はともに兵庫県出身だ
31愛媛県5(0SV 5HD)
安樂智大(楽)5(0SV 5HD)
32富山県3(0SV 3HD)
中澤雅人(ヤ)3(0SV 3HD)
33群馬県1(0SV 1HD)
神戸文也(オ)1(0SV 1HD)
33佐賀県1(0SV 1HD)
田中豊樹(巨)1(0SV 1HD)
33長崎県1(0SV 1HD)
今村猛(広)1(0SV 1HD)
36宮崎県、大分県、岡山県、鹿児島県、滋賀県、鳥取県、岐阜県、青森県、岩手県、長野県、福島県、山形県、山梨県0(0SV 0HD)
愛媛県の安樂は甲子園で活躍したが、球速は戻っていない。富山県、中澤は中継ぎで活躍した左腕だが、昨年限りで引退。長崎県、今村猛は広島3連覇時代こそ「勝利の方程式」を担ったが、故障もあって昨年は1ホールド。
モイネロらキューバ出身救援投手がブーム?
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最後に外国人と外国出身選手を見てみよう。以下、出身国と地域だ。
1米国205(38SV 167HD)
ブセニッツ(楽)31(18SV 13HD)、ハーマン(ロ)24(1SV 23HD)
2キューバ67(22SV 45HD)
モイネロ(ソ)39(1SV 38HD)、R・マルティネス(中)28(21SV 7HD)
3ドミニカ共和国55(36SV 19HD)
フランスア(広)26(19SV 7HD)、デラロサ(巨)22(17SV 5HD)
4ベネズエラ51(25SV 26HD)
スアレス(神)33(25SV 8HD)、エスコバー(De)17(0SV 17HD)
5台湾12(0SV 12HD)
宋家豪(楽)10(0SV 10HD)、チェン・グァンユウ(ロ)2(0SV 2HD)
6ブラジル2(0SV 2HD)
ビエイラ(巨)2(0SV 2HD)
実は今、外国人の中継ぎ投手が増加している。MLBで実績があっても年俸がそれほど高くないうえに、日本人打者が不得手とする“動くボール”を駆使する投手が多く、いい働きを見せる選手が多いからだ。実際、47都道府県と比べてみると米国が最も多い数字になるし、キューバの67を上回るのは兵庫と東京だけだ。
なかでも楽天はMLB出身の救援投手をよく獲得する。米国のブセニッツ、今はロッテのハーマンも楽天が日本に連れてきた投手だ。さらにシャギワもいた。
広島はドミニカ共和国にアカデミーを開設しているが、フランスアもアカデミー出身。昨年はスコットの不振でクローザーに回った。
キューバは昨今、投打で優秀な選手を輩出しているが、ソフトバンクのモイネロはマウンドに上がっただけで打者が戦意喪失するような絶対的なセットアッパーだった。奪三振率が抜群だった。中日のライデル・マルティネスは100マイル超の速球でクローザーとして活躍した。
救援投手はエリートというより職人気質の選手が多いし、無名校からもいい選手がよく出る。救援投手の日本地図は、他の地図とは少し違った味わいがあるのだ。
(勝利数編、安打編、本塁打編、盗塁編もそれぞれ関連記事からご覧になれます)
