酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
数字で検証・巨人FA移籍で成功した打者はいるか? 小笠原道大でも活躍は“4年だけ”【梶谷隆幸は?】
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byShigeki Yamamoto/Hideki Sugiyama
posted2020/12/14 17:15
巨人FA選手で最も活躍した小笠原道大(左)。巨人加入が決まった梶谷隆幸はどのようなキャリアになるのか
3 清原和博 1997年(西武)30歳 一塁手
9年 846試2703打720安185本576点1盗 率.266
ドラフト時に巨人入団を切望しながら、PL学園の盟友である桑田真澄を巨人が指名し、西武に入団。パ・リーグを代表する強打者に成長し、満を持して巨人入団。巨人FA選手としては最長の9年間在籍。タイトルなどはないが、20本塁打以上5回、30本塁打1回、2001年にはキャリアハイの121打点。後半は死球禍もあって出場機会が減ったが、巨人のFA移籍選手として最多の185本塁打576打点を記録した。
4 江藤智 2000年(広島)30歳 三塁手
6年 627試1815打465安101本296点24盗 率.256
ベストナイン2回
広島時代は本塁打王2度、打点王1度。当時の長嶋茂雄監督の猛ラブコールを受けて巨人に入団。2年間は期待に違わず2年連続30本塁打、ベストナイン。松井秀喜、高橋由伸、清原和博と組んだ中軸打線はリーグ最強と言われた。しかし3年目の2002年から成績が急落。2006年にはFA移籍した豊田清の人的補償として西武に移籍。FAで移籍した選手がFA選手の人的補償になったのは江藤が初である。
5 落合博満 1994年(中日)41歳 一塁手
3年 352試1222打362安53本219点4盗 率.2962
1993年オフに導入されたFA権を行使して移籍。41歳シーズンでは最高齢となる。三冠王3度の球史に残る大打者。巨人でも3割を2回マークしたのはさすがだったが、本塁打は21本が最多と物足りなかった。43歳のシーズン、落合に私淑していた清原和博がFAで巨人への移籍を希望しているのを知って、自ら自由契約を申し出て日本ハムに移籍した。通算打率.2962は、巨人のFA移籍選手として最高である。