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【引退】物議醸しがちDF岩下敬輔の“兄貴伝説” ガンバ降格も男気移籍、小野伸二や長谷川健太監督との縁
text by
下薗昌記Masaki Shimozono
photograph byGetty Images
posted2020/12/04 17:01
“荒くれもの”なイメージがある岩下だが、ガンバや清水などでそのパーソナリティーは愛されたのだ
チームの象徴だった遠藤保仁やキャプテンだった明神智和がクラブ愛ゆえに、いち早く残留を決断したのは納得だが、在籍わずか4カ月程度の岩下にとって、J2でのプレーを決断するのは簡単ではなかったという。
浦和でJ2を戦った小野伸二に相談した
岩下が相談したのは私生活でも仲が良い小野伸二。浦和レッズでJ2を戦った経験を持つ小野は世間の注目度が低下するJ2でプレーするモチベーション的な難しさを岩下に語ったが、同時にこうも付け加えたと言う。
「自分でやりがいを感じるのなら、やる価値はある」
岩下が意気に感じたのは、J2で再起を目指すガンバ大阪での挑戦だったのだ。
奇遇にも清水時代の恩師・長谷川監督が
奇遇にも翌2013年、新たに指揮官としてやってきたのは岩下が清水エスパルスでデビューした2005年から6年間、指導を受けた長谷川健太監督だった。
兄貴キャラの岩下が一目も二目も置く長谷川監督とともに、岩下はガンバ大阪の復権に欠かせない存在に成長して行くのだ。
一年でのJ1復帰を果たしたガンバ大阪が日本サッカー史上初となる昇格即三冠の大偉業を達成した2014年、「カードコレクター」だったCBは、「ゴールドコレクター」としてキャリア最高の一年を過ごしていた。
2014年11月のナビスコカップ決勝は、岩下と長谷川監督の結びつきの強さを感じさせた一戦だった。