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【引退】物議醸しがちDF岩下敬輔の“兄貴伝説” ガンバ降格も男気移籍、小野伸二や長谷川健太監督との縁

posted2020/12/04 17:01

 
【引退】物議醸しがちDF岩下敬輔の“兄貴伝説” ガンバ降格も男気移籍、小野伸二や長谷川健太監督との縁<Number Web> photograph by Getty Images

“荒くれもの”なイメージがある岩下だが、ガンバや清水などでそのパーソナリティーは愛されたのだ

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下薗昌記

下薗昌記Masaki Shimozono

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 サガン鳥栖の岩下敬輔が16年の長きにわたったプロ生活に今季限りでピリオドを打つ。

 過去には、時に激しすぎるプレーで物議を醸したこともある岩下だが、ガンバ大阪では、後輩選手たちだけでなく、サポーターからも「兄貴」として愛されたキャラクターだった。

 記録よりも記憶に残る男――。ガンバ大阪で過ごした4シーズン半、筆者は岩下がピッチ内外で見せて来た男気を目の当たりにしてきたつもりでいる。

ガンバJ2降格の瞬間、岩下は出場停止

 岩下が清水エスパルスから期限付き移籍で加わった2012年、ガンバ大阪はクラブ史上初めて、J2降格の憂き目を見た。

 最終節でジュビロ磐田に1対2で敗れ、J2降格が決定。遠藤保仁らチームメイトが涙に暮れたピッチ上に、岩下の姿はなかった。

 累積警告による出場停止で、最終節を含めた2試合に出場することが出来なかったのだ。

 降格直後は、「代表復帰のためにもJ1でやりたい」とはっきり公言し、岩下はJ1でのプレーにこだわりを見せていた。実際にJ1クラブからのオファーもあったが、決断したのはJ2降格の烙印を押された「堕ちた雄」への完全移籍だった。

 ――何故、ガンバ大阪でのプレーを決断したのか。

 当時、あるインタビューで本人にその真意を聞いたことがある。

「リーグ戦の最後2試合に関しては、どんな可能性もあったと思うんですよ。でも、僕はその2試合のピッチに立てなかった。ピッチに立てない悔しさと、『残留への力になってほしい』と言われておきながら、力になる権利さえなく、降格の瞬間もピッチに立てていなかったことに、サッカー選手として悔いが残っていました」

 義理堅い男にとって、出場停止でピッチに立てなかったという事実は、心に小さな棘として刺さったままだったのだ。

【次ページ】 在籍わずか4カ月、なぜ“残留”?

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