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南野拓実の最低評価は事実も リバプールでのプレミア初フル出場を“失敗”とするには尚早なワケ
posted2020/11/29 17:40
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph by
Getty Images
負傷者続出とはいえ、驚きだった。
ディオゴ・ジョタが良いパフォーマンスを見せていることもあり、最近は試合終盤からの途中出場が多くなっていた南野拓実。フロント3でのポジション争いに苦しむなか、第10節ブライトン戦で突然、先発出場の機会が訪れた。
それもインサイドハーフでの起用だ。
チアゴ・アルカンタラとアレックス・オクスレイド・チェンバレンがまだ復帰しておらず、ジョーダン・ヘンダーソンとナビ・ケイタのコンディションも万全ではない。またセンターバックの穴埋めをしているファビーニョの代役として、ジョルジニオ・ワイナルドゥムかジェイムズ・ミルナーをアンカーに回さねばならない。確かに苦しい台所事情である。
リバプールにとっては頭を抱える話だが、南野にとっては大チャンスだ。ここでアピールできれば、起用されるポジションの幅が広がることになる。もちろんインサイドハーフでは厳しいポジション争いが待っているが、それは前線でも同じことだ。
何より万全のスカッドを揃えることもままならない今のチームにとって、一定のクオリティで複数のポジションをこなせる選手は貴重である。まさに自身の価値を証明する絶好の機会を得たわけだ。
ブライトンの3バックとカウンターに苦しむ
結果は1-1のドロー。後半にジョタのゴールでリバプールが先制するも、後半ATに同点弾となるPKを沈められた。
リバプールがボールを支配し敵陣で得点機会を窺うが、ブライトンは3バックを中心に堅く守り、簡単にシュートチャンスを作らせなかった。むしろレッズのセンターバック裏のスペースに積極的にボールを送り、果敢にゴールを奪う姿勢をみせた。
ブライトンはボールポゼッション39.7%というなかで、リバプールの6本を上回るシュート11本を記録。パスで崩していくリバプールに対し、縦に速い攻撃で王者を苦しめている。