酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
【記録で2020セ総括】エース中心の「昭和スタイル」、二部制なら後期は中日優勝、響いた「CSなし」
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama
posted2020/11/17 11:00
14勝を挙げて最多勝を獲得した菅野智之。他球団の視点に立てば彼を攻略できず、巨人独走を止められなかったと言える
各球団エースが活躍した分だけ……
最後にPR(Pitching Run)の5傑を見よう。PRは「(リーグ平均防御率-個人防御率)×投球回数)÷9」で導き出せる投手の総合指標である。
1 大野雄大(中)33.20
(148.2回/防御率1.82)
2 菅野智之(巨)28.38
(137.1回/防御率1.97)
3 森下暢仁(広)26.17
(122.2回/防御率1.91)
4 西勇輝(神)25.76
(147.2回/防御率2.26)
5 大貫晋一(De)16.42
(113.2回/防御率2.53)
トータルでは大野がかなりの差で菅野をリードしている。
今季のセ・リーグは中日・大野、巨人・菅野、広島・森下、阪神・西と各球団のエース級が活躍。そのために救援投手の数字が低くなった。最多セーブはパの増田達至(西)33に対し、セは阪神スアレスの25、最多ホールドポイントはパがモイネロ(ソ)40に対し、セは中日の祖父江など3投手の30にとどまった。
交流戦がなかったこともあって、両リーグの野球のスタイルがかなり違っていたのだ。今季のセ・パチームにとって“初顔合わせ”となる日本シリーズでは、どちらの野球が勝利を得るだろうか?