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ネイマールが良い意味で大暴れ メッシ&スアレスも…「元MSN対決」W杯予選で笑うのは?
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byGetty Images
posted2020/10/16 11:00
セレソンでハットトリックの大活躍を見せたネイマール。ピッチ内で結果を残した
メッシとスアレスはキャリア最後のW杯か
この3人は、バルセロナでは2015年に世界クラブ王者となっているが、代表ではまだ誰も世界の頂点に立っていない。メッシとスアレスは33歳で、2022年大会がキャリア最後のW杯となりそうだ。それだけに、この南米予選とその先のW杯に懸ける思いが強い。
2017年夏にネイマールが、そして今年9月、スアレスがバルセロナを退団しており、3人が異なるクラブに在籍してから初めて迎える南米予選でもある。
攻撃の組み立てはメッシに一任
アルゼンチンは、まずホームに難敵エクアドルを迎えた。身体能力が高い黒人選手が多く、伝統的に苦手とするタイプのチームである。FWセルヒオ・アグエロ(マンチェスター・シティ)が故障で欠場したのは仕方がないとはいえ、昨季の欧州チャンピオンズ・リーグで大活躍したMFアンヘル・ディマリアがなぜか招集外だった(地元メディアは、「リオネル・スカローニ監督がチームの世代交代を図っているため」と推測している)。
中盤を4人で構成したが、メッシ以外のMFは守備に強みを発揮するタイプで、攻撃の組み立てはメッシに一任されているようだった。
前半、メッシからの縦パスを受けたルーカス・オカンポス(セビージャ)が右サイドを突破する。クロスを入れる直前、自分の体の左側からタックルを仕掛けようとするエクアドル選手の方に意図的に体を預けてファウルを誘い、PKを獲得。メッシが決めて先制した。
ところが、その後はメッシが二重、三重のマークを受けて潰されることが多く、得点はおろか決定機すら作れない。エクアドル攻撃陣の連携不足にも助けられて1-0で辛勝したが、試合内容はやや物足りなかった。
鬼門・ラパスでのアウェー戦「引き分けなら上出来」
そして、13日、アウェーでボリビアと対戦する。
試合地ラパスは標高3640mの高地にあり、平地に比べて酸素が三分の一程度少ないとされる。チーム力はアルゼンチンがはるかに上だが、過去3度のラパスでのボリビア戦は1分2敗。2010年W杯予選では1-6の大敗を喫している。「引き分けなら上出来で、勝つのはほぼ不可能」というのが大方の予想だった。