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ネイマールが良い意味で大暴れ メッシ&スアレスも…「元MSN対決」W杯予選で笑うのは?
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byGetty Images
posted2020/10/16 11:00
セレソンでハットトリックの大活躍を見せたネイマール。ピッチ内で結果を残した
「エースに頼りすぎ」という積年の課題
しかし、この困難な状況で選手たちが気持ちの強さをみせる。先制を許したが、ラウタロ・マルティネス(インテル)がボリビアDFのゴール前でのクリアを懸命にブロックすると、ボールが直接ゴールに飛び込んで同点。さらに終盤、メッシ、マルティネスとつないで作ったチャンスをホアキン・コレア(ラツィオ)が左足で叩き込み、逆転勝ちを収めた。
終盤、メッシはプレーが途切れる度に両手を膝に突いて喘いでいた。それでも、相手ボールを必死の形相で追いかけるなど、闘志溢れるプレーでチームを引っ張った。
ただし、これは近年ずっとそうだが、チーム全体がエースに頼りすぎている感がある。他の選手が責任を分かち合い、もっと積極的にプレーするべきなのではないか。
充実の陣容を誇る王国ブラジル
第2節までの試合内容と結果が最も良かったのはブラジルだろう。
初戦でボリビアをホームに迎え、徹頭徹尾、自陣に引きこもる相手に対して2-3-5の超攻撃布陣で攻め立てる。前半、右からのクロスをCBマルキーニョス(パリ・サンジェルマン)が頭で決めて先制すると、左からのクロスをCFフィルミーノ(リバプール)が押し込む。後半にもフィルミーノ、コウチーニョ(バルセロナ)らが加点して大勝した。
敵地でのペルーとの対戦は、序盤に失点して暗雲が垂れ込めた。しかし、高い位置からのプレスがはまり始めてから中盤を支配する。ネイマールがPKを決めて、同点。後半にはセットプレーから失点したが、ネイマールの2得点などで2-4の逆転勝ちを収めた。
ハットトリックを記録したネイマールは代表での通算得点を64に伸ばし、62点のロナウドを抜いて歴代2位となった。歴代最多はペレの77点だが、この南米予選(残り16試合)で追い抜く可能性すら出てきた。
ブラジルはネイマールとコウチーニョを中心とする攻撃陣が好調で、CBチアゴ・シウバ(チェルシー)が率いる守備陣もミスが少ない。