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ネイマールが良い意味で大暴れ メッシ&スアレスも…「元MSN対決」W杯予選で笑うのは?
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byGetty Images
posted2020/10/16 11:00
セレソンでハットトリックの大活躍を見せたネイマール。ピッチ内で結果を残した
ウルグアイは選手層の薄さが泣き所
ウルグアイは、今年3月にパリ・サンジェルマンを退団して以降、プレーしていなかったFWエディンソン・カバーニ(10月初め、マンチェスター・ユナイテッドへ入団)と故障のCBホセ・ヒメネス(アトレティコ・マドリード)が招集外だった。
ホームでの強豪チリ戦は、スアレスのPKで先制。チリはアレクシス・サンチェス(インテル)の得点で追いついたが、試合終了直前、ウルグアイはマキシ・ゴメス(バレンシア)の見事なミドルシュートで勝利を手にした。
しかし、続くエクアドル戦の試合地は標高2850mのキト。エクアドルのパワフルな攻撃に圧倒され、守備の重鎮ディエゴ・ゴディン(カリアリ)の痛恨のミスもあって4失点。終盤にスアレスがPK2本を決めたが、2-4と完敗した。
人口わずか350万人の小国ゆえ、選手層が薄いのが泣き所だ。守備の組織を整備し、少ないチャンスを確実に決める必要がある。
2節を終えて、ブラジルとアルゼンチンが2戦全勝の好スタートを切った。コロンビアがホームでベネズエラを3-0と一蹴し、アウェーでチリと引き分けて3位。パラグアイもホームでペルーと引き分けた後、アウェーでベネズエラを下して4位に付けている。エクアドルはアルゼンチンに惜敗したが、ウルグアイに快勝して5位。チリとペルーは、1分1敗という不本意なスタートとなった。
長年メッシに付きまとう批判
MSNが各々の代表チームで置かれた状況は、微妙に異なる。
バルセロナ退団騒動で世間を騒がせたメッシには、「クラブでの実績は素晴らしいが、代表ではクラブと同レベルのプレーができない」という批判が付きまとう。
アルゼンチンは1993年の南米選手権制覇を最後に国際大会で優勝しておらず、国民の間に不満が溜まっている。メッシは、1986年W杯で超人的なプレーでチームを優勝に導いたマラドーナと比較されることが多く、そのことも彼を苦しめている。
メッシがすべての批判を跳ね返すには、2022年W杯で優勝するしかない。自身5度目のW杯で、初の戴冠を心に誓っている。