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小5の三竿健斗が買ってもらった内田篤人のユニフォーム ラストマッチで「いろいろ背負わせてごめんね」
text by
池田博一Hirokazu Ikeda
photograph byKASHIMA ANTLERS
posted2020/09/23 11:30
内田にキャプテンマークを渡す三竿。ピッチ上で見てきた背番号2を胸に焼き付け、常勝軍団を牽引していく
危ないところがわかっているんです
ボランチと右サイドバック。攻守において関わりは多い。三竿は内田の守備面についても、違いを感じていた。
「危ないところがわかっているんです。例えば、左サイドから崩されたとき。相手がセンターバックの裏にスルーパスを通してきたら、カバーにきっちり入っている。おさえるべきポイントがわかっているんですよね」
「健斗にはあえて言わなかった」
三竿が内田の引退を知ったのは、チームミーティングのとき。選手全員の前で内田の口から報告したタイミングだった。内田は「健斗にはあえて言わなかった。感情が表に出るキャプテンシー、責任感が強い選手なので、先に言うとちょっと調子が狂うなと思った」という。
「ヒドイですよね〜(笑)。いきなりミーティングがあると言われて、なんのことだろうと思っていたら……。篤人さんらしいといえばらしいけど、まあびっくりしますよね」
このミーティングを経て、三竿自身、チームの変化を感じたという。
「ガンバ大阪戦が最後になると決まってから、試合が近くなるにつれて“最後かあ”となっていった。チーム全体としても、いつも以上に“絶対にみんなで勝とう”、“勝って終わろう”という雰囲気がありました」
8月23日、ガンバ大阪戦。ウォーミングアップでは、内田以外の全選手が背番号2のトレーニングウエアに身を包んだ。
「アップの前からすごく悲しくて……。背番号2を背負う重みを感じました」