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小5の三竿健斗が買ってもらった内田篤人のユニフォーム ラストマッチで「いろいろ背負わせてごめんね」
posted2020/09/23 11:30
text by
池田博一Hirokazu Ikeda
photograph by
KASHIMA ANTLERS
小学5年の夏休み。
2007年、東京ヴェルディジュニアが、全日本少年サッカー大会で全国優勝を果たした年だ。
鹿島アントラーズのクラブハウスで、憧れの背番号2のユニフォームをお父さんに買ってもらった。それを着て、カシマスタジアムでアントラーズの応援をした。
「お父さんと2人で小旅行に行ったんです。大洗の水族館に連れて行ってもらって、それからアントラーズのクラブハウスで篤人さんのサイン入りユニフォームを買ってもらった。その翌日にカシマスタジアムで試合を観に行きました。背番号2のユニフォームを着て応援したんですが、それが僕にとって夏休み一番の出来事。お兄ちゃん(三竿雄斗:現大分)は当時ユースだったから合宿だったのかな。自慢の思い出です」
当時小学5年の少年は、今やアントラーズの中心選手として背番号20を背負い、キャプテンマークを巻いてカシマスタジアムのピッチで戦う存在になった。
三竿健斗にとって、内田篤人は憧れの存在だった。
チームメイトの篤人さんは「うまかったなあ」
小学生のとき、アントラーズの右サイドで見せるすべてのプレーに夢中となり、中学生のとき、シャルケ04でチャンピオンズリーグ準決勝を戦う姿にテレビの前で釘付けとなった。2018年、まさかのチームメイトとなる。
ともにプレーした内田は、どんな選手だったのだろうか。
「やっぱり賢いですよね。ポジショニングがいい。篤人さんは、左利きみたいな持ち方をするんです。マルセロみたいなボールの運び方をする。左利きの左サイドバックは、センターバックから横パスが来たときに1発で縦に流し込むボールを蹴ったり、中に入っていくドリブルをする。それを右利きの右サイドバックでできる。横パスをセンターバックからもらったときに1発目で前を向いて、流したり、斜めに入れたり、横に入れたり。常に縦、斜め、横と、3つのパスコースの選択肢を持っていた。あまりああいう持ち方をする選手っていないんですよね。パスコースを切られても股を通して縦に入れたり。うまかったなあ」