セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
天衣無縫イブラ様、再契約は「ミラン愛のためだけだ」 名門復活へ赤黒根性200%
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2020/09/21 09:00
来月39歳となるイブラヒモビッチだが、衰えて隠居になるつもりなんてさらさらないはずだ
「若いやつらに負けるわけにはいかないんだよ」
トナーリに限らず、ミランの選手たちはベテランも若手も関係なく、その赤黒のユニフォームを泥と芝に塗れさせなければならない。
「俺は来月39歳になる。だが、練習でいざ走り始めたら、若いやつらに負けるわけにはいかないんだよ。どんなメニューでも一番上の数字を出さなくちゃならないんだ」
「試合で結果を出せばそれでいい、と言うやつがいるが俺はそうは思わない。いざ本番になれば練習したようにしかできないからだ。だから、俺は俺自身にも他人にも200%を出し切ることを求める」
ミランが王者だった頃を知る最後の男イブラヒモビッチは、“俺が俺が”を捨てて、真のリーダーになろうとしている。今シーズンは彼が見てきた勝者たちの精神をトナーリやMFダニエル・マルディーニら次世代に継承するラストチャンスになるかもしれない。
21日、ミランはサン・シーロでのセリエA開幕戦にDF冨安健洋のボローニャを迎え撃つ。今度こそ名門復活の萌芽は息吹くか。ロッソネロの122年目のシーズンが始まった。