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天衣無縫イブラ様、再契約は「ミラン愛のためだけだ」 名門復活へ赤黒根性200%
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2020/09/21 09:00
来月39歳となるイブラヒモビッチだが、衰えて隠居になるつもりなんてさらさらないはずだ
レビッチ「口で言い返すのはダサい」
ラングニック就任が実現していれば、昨季のチーム得点王であるFWレビッチの去就も定かではなかった。ライプツィヒ時代に冷遇された過去からドイツ人指揮官との衝突は避けられず、その場合レビッチは戦力構想外とされ出ていくだろうというのが大方の見方だったからだ。
晴れて完全移籍したクロアチアの暴れん坊は、昨季後半戦の勝ちっぷりを述懐した。
「(31節に4-2で大逆転勝ちした)ユベントス戦で向こうが2点リードしたとき、GKシュチェスニが『おまえらはこのまま0-2で負けるんだよ、悪あがきすんなよ』って言いやがったんだ。
カチンときたが口で言い返すのはダサい。代わりに(チーム)4点目のゴールでお返ししてやった。(FW)カスティジェホが前でどう流れるか、(MF)ベンナセルがどのタイミングでパスをくれるか、互いの動きがわかってきた今、プレーがどんどん楽しくなっているところなんだ」
背番号11をつけて練習場にイブラ様再臨!
何よりミラニスタたちをやきもきさせたのは、1月の加入後20試合で11ゴール5アシストと文字通りチームを牽引したチームの大黒柱FWイブラヒモビッチの再契約問題だった。
しかしバカンス後も母国スウェーデンから合流せず“慰留交渉難航”という一時の報道をあざ笑うように、8月の終わりにふらっとミラノへ戻ったズラタンは、今季の契約にサインすると、かつてスクデットを獲ったときの背番号11をつけてミラネッロ練習場へ再臨した。
イブラヒモビッチは変わった。
「俺様は神様」と嘯く天衣無縫のキャラクターはそのままだし、試合中に相手も味方も容赦なく怒鳴りつける姿勢も変わらないが、22歳の若い盛りで粋がっていたユベントス時代やスクデットを獲った直後のロベルト・マンチーニ監督(当時)に「優勝させてやったんだから俺に感謝しろよ!」とほざいたほど傲岸不遜だったインテル時代とは、確実に何かが変わった。