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ジュニオール・サントスに驚く夏。
マリノスは“途中”の補強が上手い。 

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熊崎敬

熊崎敬Takashi Kumazaki

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photograph byJ.LEAGUE

posted2020/08/29 09:00

ジュニオール・サントスに驚く夏。マリノスは“途中”の補強が上手い。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

8月11日加入したばかりのジュニオール・サントス。早速マリノスのサッカーにフィットし、ゴールを量産中だ。

圧巻の初速で敵を置き去りにする。

 サントスの変身は、心理とプレーのふたつの側面から説明することができる。

 まず環境が変わったことで、ネガティブな心理を断ち切ることができた。そして新天地が、カウンターを得意とする横浜だったことも追い風となった。横浜も、そこのところをしっかりと見定めていたのだろう。

 キーパーのロングフィードから一気に敵陣を突く速攻の中、サントスは圧巻の初速でたびたび敵を置き去りにする。

 清水戦では開始2分に自陣から一気に加速し、約50mドリブルゴールを決めてみせた。札幌戦でもペナルティアークでパスを受けると、一歩で敵を外して先制ゴールを叩き込んだ。

 移籍直後に結果を出したことで、いまのサントスは自信に満ちあふれている。ようやく居場所を見つけられたという、喜びも伝わってくる。

昨季は途中加入のエリキが優勝に貢献。

 それにしても横浜はシーズン途中の補強が上手い。

 昨季は得点ランク首位を走っていたエジガル・ジュニオが、夏場に骨折して戦線離脱。だが、すぐさま補強したエリキが12試合8ゴールと穴を埋め、逆転優勝の原動力となった。

 そしてエジガルの調子が整わない今季は、柏のベンチでくすぶっていたサントスを獲得。2年続けてストライカーの補強が当たった。

 タイヤがパンクしたら、すかさずピットインしてニュータイヤに履き替える。このあたりは動きの速さ、的確さが、チームの総合力の高さを物語る。

 首位独走の川崎が足踏みする一方で、チャンピオンが追撃態勢に。9月を前に、上位戦線が面白くなってきた。

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