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ザックがコンテ監督に“自制せよ”。
EL準優勝も前途多難なインテル。
text by
神尾光臣Mitsuomi Kamio
photograph byGetty Images
posted2020/08/30 11:30
セビージャに敗れEL準優勝に終わったインテル。コンテ監督は留任見込みであるが、果たして。
内紛によって話題になるインテル。
今後、コンテを慰留する場合でも、経営を統括してコンテを連れてきた張本人でもあるジュゼッペ・マロッタCEOか、強化の陣頭指揮を取ってきたピエロ・アウジリオSD、そのどちらか一方は切られることになるのではないか――そう報じた地元紙もある。
インテルは、内紛がメディアによって話題になるクラブである。
かつての主将マウロ・イカルディと代理人を務める妻ワンダ・ナラの言動が、選手間の亀裂まで呼んでいた件は有名な話だが、そちらを片付けたら今度はフロントの問題。「すべてにわたる限界」とは、戦力のみならずそれを査定し運営するクラブのあり方にも及んだ批判だったのだ。
コンテに対して“ザックのお小言”。
チーム力は確実にアップした。「コンテを続投させればスクデットも狙えるはずだ」と評価も上がっている。元日本代表監督のアルベルト・ザッケローニ氏も「監督更迭は再びゼロからの出発を意味する」と地元ラジオのインタビューで発言していた。
ただ、その一方でコンテ監督に対しても批判はある。ザッケローニ氏もコンテに自制を求めていた。
「他クラブの監督の席が埋まっている状況で、他に職場を得ようとするのは得策ではないと思う。それに、監督は他の役職を務める人間を尊重すべきだと私は考えている。自分が監督をしていたときは誰も選手を連れてこなかった。その一方でコンテはルカクを呼んでもらえただろう」
さらには「コンテ監督と決裂する場合、インテルはマッシミリアーノ・アッレグリ氏に打診するのではないか」という報道もある。だが、いずれにせよ肝心なのは彼らが本当に一枚岩となって、来シーズンを迎えることではないだろうか。