投げた翌日のケアは楽天だけ？

「本当に変わったことをやっているわけではないんですよね。コンディショニングに関しては、今までやってきたことを選手たちに根気強く継続してもらっているだけなんで」

　そう言って謙遜するが、星の仕事ぶりが特別であることを、当の選手たちが証言する。

　投手にとっての大手術に分類されるトミー・ジョン手術、そして右肩にもメスを入れた経験がある釜田佳直が言う。

「ホーム、ビジター関係なく、投げた翌日にちゃんとケアしてくれる球団って、うちだけだと思うんですよね」

　釜田に同調するように声を張るのが、昨年まで守護神を務め、今季は先発への転向を予定している松井裕樹だ。

「前の日に投げた人みんなのケアをしてくれるとか、星さんだけじゃないですか。あんなプロフェッショナルな人、なかなかいないですよ。

　ピッチングのメカニックの部分はもちろんですけど、体のケアも妥協なくやってくれる。ほかにもいろんな仕事を突き詰めてやってくれているから、ピッチャーとしてはありがたいですよね」

筑波大大学院で出会った立花龍司。

　地元仙台出身の星が現職に従事して、今年で14年目を迎える。

　楽天で仕事をするきっかけは、プロ野球初のコンディショニングコーチとして知られる、立花龍司との出会いだった。筑波大大学院で席を並べた2006年、立花は楽天のコーチを辞職することとなり、星に声をかけた。

「ひと枠空くから、興味があれば履歴書を送ってみれば？」

　当時のことを、星は「大げさかもしれないですけど、運命だと思った」と照れる。

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