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<新キャプテンの覚悟>
源田壮亮「個性派軍団の潤滑油として」
posted2020/06/19 08:00
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
KYODO
今年、メジャーに移籍した秋山翔吾の後を継ぎ、新キャプテンとしてリーグ3連覇を託された。大役就任に強い決意をみなぎらせながらも、新時代の到来を予感させる、自然体を貫く姿。若きリーダーが個性派軍団を束ね頂点を目指す。(Number1005号掲載)
かつて、黄金時代のチームリーダーだった石毛宏典は、緊張感のない若手選手を見つけると、チームの士気を高めるため容赦なく叱責していたという。当時、ライオンズにはキャプテン制度こそ存在しなかったが、石毛は常勝ライオンズを代表するリーダーだった。
昨年、第4代キャプテンを務めた秋山翔吾は他者に厳しく、自分には一層厳しく、その言葉と姿勢と実績でチームを率いるリーダーだった。
周囲を巻き込み、ぐいぐいとライオンズを率いた彼らを「剛」と表現するならば、今年からキャプテンに就任した源田壮亮を表す漢字は間違いなく「柔」だ。ときには試合に敗れて悔し涙を流すこともあるが、その熱い気持ちはそっと胸に秘め、空気を読み、ふわりと、穏やかにチームメートに寄り添っている。
理想とするチームリーダー像について聞くと、ほほえみを浮かべながら数秒、考えて源田はこう答えた。
「石毛さんの時代は『厳しかった』とうかがったこともあります。選手同士で、けっこう思ったことをぶつけ合ったりしていた、と……。でも、うーん、難しいなぁ。選手って人それぞれだと思うので、厳しく言われて燃える人と、逆にシュンとなる人がいると思うんです」