熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
ポンテが語る中島翔哉や久保建英、
安部裕葵、堂安律の「素晴らしさ」。
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byRobson Ponte
posted2020/06/04 11:50
現在はポルティモネンセの経営に携わるポンテ(中央)。まごうことなき浦和のレジェンドだ。
日本には毎年7、8回足を運ぶ。
――日本人選手をスカウティングする機会が多いと思いますが、日本の若手選手のクオリティをどう見ていますか?
「日本には毎年7、8回行く。高校、大学、各クラブの下部組織などでしっかり鍛えられており、技術、フィジカル、状況判断、戦術理解などすべての点で進化している。メンタル面でも、以前より逞しくなっている」
――日本のフットボール全体で、何か改善すべき点があると思いますか?
「方向性は正しいと思う。このまま継続して努力すれば、進化が加速してゆくんじゃないかな」
――第二の中島翔哉はもう見つけましたか?
「うーん、一生懸命探しているんだけど、ショーヤのような選手はなかなかいない。でも、必ず発掘して、うちへ連れてくるよ(笑)」
久保に安部、今の浦和について。
――欧州でプレーする日本人選手にも注目しているのでは?
「もちろんだ。久保(建英。マジョルカ)は、テクニックと判断力が素晴らしい。うちへ来たら、さらに成長するのは間違いない(笑)。安部裕葵(バルセロナB)もいいね。鹿島時代から注目していた。爆発的なダッシュ力があり、両足で巧みにボールを扱える。
他にも冨安、堂安(律。PSV)ら優秀な若手が大勢いる」
――今の浦和レッズについてどう思いますか?
「僕の退団後にも2017年のACLなど重要なタイトルを取っているけど、Jリーグでは惜しいところまで行きながら優勝できないのが残念。もっともっとタイトルを取ってほしい。
埼玉スタジアムのサポーターの熱気は、昔も今も全く変わらない。スタンドで試合を見ていて興奮するし、自分があのピッチで長くプレーできたことを誇りに思う。そして、『またあのピッチに立てたらな』といつも思うんだ(笑)」
◇ ◇ ◇
現役時代より貫禄がついたが、明るい性格とフットボールへの情熱は変わらない。
我々日本人は、欧州のフットボール強国の最前線に立つ彼のような人材が日本、日本人、日本のフットボールに大きな愛情を注いでくれる幸せを噛みしめるべきだろう。
そして、彼の知見と経験を日本のフットボールのさらなる成長のために有効活用する術を考えるべきではないだろうか。