熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
ポンテが語る中島翔哉や久保建英、
安部裕葵、堂安律の「素晴らしさ」。
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byRobson Ponte
posted2020/06/04 11:50
現在はポルティモネンセの経営に携わるポンテ(中央)。まごうことなき浦和のレジェンドだ。
ブラジル、日本などの選手獲得担当。
――ポルティモネンセのフロントで働くようになった経緯は?
「2011年にブラジルの中堅クラブで短期間プレーした後、現役を引退した。
その後はフットボールと関係のない仕事をしていたんだけど、2013年、選手時代に僕の代理人を務め、親しい友人でもあるテオ(テオドーロ・フォンセッカ。元ブラジル代表FWフッキら多くの有力選手の移籍を手掛けた)がポルティモネンセの筆頭株主になった。2016年末、彼に請われてテクニカル・ディレクターになったんだ。
主にブラジル人や日本人など外国人選手の獲得を担当し、2018年からは副会長を兼務してクラブのマネジメントにも関与している」
――クラブを簡単に紹介してください。
「ポルトガル南西部にある人口6万人足らずのポルティモンがホームタウン。美しい海岸があり、気候が温暖。主な産業は観光と漁業だ。
クラブは1914年に創設され、プロスポーツ部門とソシオ(会員)のための総合スポーツクラブ部門がある。
トップチームのトレーニングセンターは、フルサイズの自然芝のピッチ3面、46人が泊まれる宿舎、大食堂、最先端の機器を備えたスポーツジム、医務室などを完備している。ポルトガルでは、3大クラブ(注:ポルト、ベンフィカ、スポルティング)とブラガに次ぐ施設だろうね」
権田、安西も頑張ってくれている。
――クラブとしての目標は?
「1つは常にポルトガルリーグ1部で戦うこと、もう1つは優れた若手を育成し、実戦で鍛えて彼らのステップアップを手助けすることだ」
――外国人選手が多いようですね。
「トップチーム28選手のうち15人がブラジル人で、ポルトガル人が6人。日本人、コロンビア人、ガーナ人が各2人で、イラク人が1人いる」
(注:ポルトガルはブラジルの元宗主国で、両国は特別な関係にあり、ポルトガルリーグにはブラジル人選手の登録制限がない)
――以前から、多くの日本人選手を獲得してきました。
「2009年から10年まで在籍したFW中村(祐人、現理文=香港)が第1号で、ムウ(金崎)が日本人選手の能力の高さを地元メディアとファンに知らしめた。ショーヤ(中島)は、今でもクラブと町のヒーローだ。
昨年1月に加入した権田、7月に入った安西も、よく頑張ってくれている」