熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
シャムスカは今もトリニータを愛す。
西川、森重、清武にファンとの逸話。
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byPericles Chamusca
posted2020/05/22 11:40
大分トリニータ、ジュビロ磐田で監督を務めたシャムスカ氏(右)。現在はサウジアラビアで指導者キャリアを積み上げている。
中東各国は低迷を脱しつつある。
――その後、母国ブラジルの中堅クラブを経てカタール、UAE、アウジサラビアのクラブで実績を残します。
「中東のフットボールは、一時期の低迷を脱して成長しつつある。クラブが多額の投資を行ない、ファンのすそ野も広がりつつある。
今、代表レベルではカタール代表が、クラブレベルではサウジアラビアのアルヒラルがアジア王者なのは、決して偶然ではない」
――サウジアラビアと周辺国の新型コロナウイルスの感染拡大の状況は?
「サウジアラビアでは、3月に入ってから急速に感染が広がった。3月中旬から主要都市が封鎖されているが、それでも感染者が増え続けている(注:5月19日時点で、感染者5万9854人、死者329人)。リーグも再開の目途がついていない。
中東全体では、イランを除くと欧州ほど深刻ではないが、引き続き厳重な警戒が必要だ」
サウジリーグは外国人枠が「7」!
――サウジアラビア・リーグについて簡単に説明してください。
「アルヒラル、アルイテハド、アルナスルが3大クラブ。アルヒラルは最も資金力があり、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を3度(注:1992年、2000年、2019年)制覇している。監督がルーマニア人で、元フランス代表、元イタリア代表、ペルー代表、元韓国代表の有力選手を擁し、サウジアラビア選手も代表クラスがほとんどだ。
アルイテハドは2004年と2005年のアジア王者で、元ブラジル代表GKらがいる。アルナスルは、1995年のACLで準優勝。ここもブラジル選手が多い。
外国人選手枠が7人もあり、サウジアラビア出身の外国籍選手も1人はOK。監督はヨーロッパ人と南米人が多く、戦術面でも急速に進歩している。アジア最強リーグの1つであるのは間違いない」
――あなたが率いるアルファイサリーは中堅クラブですね。
「ビッグ3に資金力では及ばないが、近年、急速に力を付けている。以前は10位前後だったが、私が監督に就任して以降、2018~19年が6位で、今季はここまで5位。来年のACL予備戦に出場できる3位まで勝ち点4差だ」