プロ野球亭日乗BACK NUMBER
プロ野球、コロナ禍でチアリーダーや
ビールの売り子はどう過ごしている?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byYOKOHAMA DeNA BAYSTARS,Sena Maeda
posted2020/05/15 19:00
「diana」のキャプテンFukaさん(左)と東京ドームや神宮球場でビールの売り子をしている前田星奈さん。
野球の全てが帰ってくる日を待つことにしよう。
「開幕延期になってバイトがなくなる前に、売り子はマスクをつけてやって下さいということになっていたんです。でもこの仕事は階段の登り下りで結構、息が切れるんです。マスクをつけてやるとなると、かなりキツいんです。でもいまはもうマスクでも、やれるんだったら仕方ないなって思っていますね」
それでもいつか自分の生活の中に野球が戻ってきてくれることを待ち望んでいる。
「野球が好きで、最初は野球が少し見られるかなと思ってこのバイトを始めたんですけど、そんな余裕はまったくなくて大変でした」
前田さんは言う。
「でも野球場の雰囲気を感じながら、野球が好きなお客さんがいっぱいいる中で働けるのが楽しい。いまは想像していた以上にやりがいのある仕事だと思うし、自分にあった仕事だなと思っています。
だから1日も早く普通にお客さんの応援が響く中で、スタンドの階段をまた登り下りしたいですね。そうやって野球が戻ってくる日を待っています」
まずは無観客のスタジアムにパフォーマンスチームのダンス音楽と球音が戻ってくる。そしていつの日かそこにファンの声援とビールの売り子さんの掛け声がシンクロする。
あと少しだ。その野球の全てが帰ってくる日を待つことにしよう。