酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
昌&由伸のWエースに浩二、功児。
「山本」姓の名選手率が妙に高い。
posted2020/05/16 08:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Naoya Sanuki(L)/Hideki Sugiyama(R)
「鈴木」「高橋」に続いて「ベストナイン」を選ぶとすればどの姓か? ランキングで言えば田中、伊藤、渡辺とくるのだが、ここは「山本」にしたい。
日本で多い苗字を順に見ていくと「山本」は7位くらい。だが、野球界の「山本」は鈴木、高橋の60人、佐藤の62人を上回る66人もいるのだ。しかも陣容も充実している。
前置きは短めにして、「チーム山本」のラインナップを見ていただこう。
強打のカズ山本にミスター赤ヘル。
<打線 通算成績はNPBだけ。()はポジションと実働年>
1番 山本和範(DH1980-1999)
1618試合4949打数1400安打
175本塁打669打点102盗塁 打率.283
北九州出身の外野手で、愛称は「ドラ」「カズ山本」。近鉄を戦力外となり南海に入り大活躍。勝負強い打撃と一本気なキャラクターでファンに愛された。38歳でダイエーを再び戦力外となり、近鉄に復帰。42歳のシーズンまでプレーした。
2番 山本静雄(二塁手1948-1957)
932試合2929打数669安打
9本塁打240打点66盗塁 打率.228
終戦直後の中日に入団。正二塁手として活躍。球団創設時の近鉄に移籍し、内野の要としてチームを引っ張った。167cmと小柄だったが俊敏な守備で知られた。
3番 山本一人(三塁手1939-1952)
754試合2681打数790安打
61本塁打467打点143盗塁 打率.295
鶴岡姓だが、終戦後に夫人の姓である「山本」を名乗る。戦前から南海の主力選手として活躍し、長打力のある中軸打者だった。戦後はプレイングマネージャーとしてMVP3回。引退後も南海の監督を長く務め、史上最多の1773勝、リーグ優勝11回。「南海のドン」と言われた。
4番 山本浩二(中堅手1969-1986)
2284試合8052打数2339安打
536本塁打1475打点231盗塁 打率.290
東京六大学のスターから広島へ。1975年の初優勝時には首位打者、MVP。「ミスター赤ヘル」と呼ばれ、広島の黄金期を築く。王貞治引退後の最強打者。首位打者1回、本塁打王4回、打点王3回。引退後も広島、WBC日本代表の監督として活躍した。