欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
プレミア来季CL権、2枠争いが熱い。
チェルシー、マンUの命運を握る男。
posted2020/03/12 11:40
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph by
Getty Images
プレミアリーグ第28節のワトフォード戦で今シーズン初の敗北を喫したものの、リバプールの優位は動かない。2位マンチェスター・シティが残る10試合を全勝して30ポイントを加算しても、リバプールは2つ勝てば30シーズンぶりのトップリーグ優勝だ。
シティのトップ4入りも決定的だ。
第29節で5位マンチェスター・ユナイテッドに敗れたとはいえ、その差は12ポイント。両チームの総合力を踏まえると、逆転は不可能と言って差し支えない。
シティにはファイナンシャル・フェアプレーに違反した嫌疑がかけられているが、彼らがスポーツ仲裁裁判所に上訴した以上、現時点では推定無罪。リバプールに次ぐ2位は堅い、と考えるべきだ。
6クラブが勝ち点12差にひしめく。
したがって、チャンピオンズリーグ出場権を得る残り2枠をレスター、チェルシー、ユナイテッド、ウォルバーハンプトン、シェフィールド・ユナイテッド、そして、トッテナムが争うことになる。
3月9日現在、彼らは12ポイント差(アーセナルも1ポイント差の9位につけているが……)のなかでひしめき合っている。連勝、連敗で大差がついたり、急接近したり、予想が難しい状況だ。
しかし、トッテナムは苦しい。右腕を骨折したソン・フンミンは今シーズン中の復帰が絶望で、左足のハムストリングを負傷したハリー・ケインも、「最終盤の3、5試合に出場できるかもしれないが」(ジョゼ・モウリーニョ監督)という状況だ。それゆえ、トッテナムは“トップ4チャレンジ”から脱落すると思われる。
ポゼッション、パス成功率とも下から数えた方が早いにも関わらず、シェフィールドはここまでよく健闘した。ただし、決して厚くない選手層が疲労を招き、パフォーマンスの内容は徐々に下降線を描いている。トップ4ではなく、ヨーロッパリーグの出場権獲得、もしくはFAカップ優勝が現実的な目標だ。