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プレミア来季CL権、2枠争いが熱い。
チェルシー、マンUの命運を握る男。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byGetty Images
posted2020/03/12 11:40
マンチェスター・ユナイテッドは進境著しいイガロの活躍によって、CL出場権を得られるか。
カンテ、プリシッチらは負傷中。
ケパが一刻も早く本調子を取り戻さない限りチェルシーは“トップ4チャレンジ”からふるい落とされる。今シーズンは取りこぼしも目立ち、シティ戦とリバプール戦を残し、最終節はウルブズ戦という日程も厄介だ。
また、多くの主力が負傷に倒れている。クリスティアン・プリシッチはアカデミーの練習に合流したばかりで、エンゴロ・カンテ、カラム・ハドソン・オドイ、タミー・エイブラハムは復帰のめどすら立っていないのだ。
強きをくじき、弱きをたすくウルブス。
残す強豪との対戦はアーセナルとチェルシーだけ。そんなウルブズにアドバンテージがあるようにも感じられる。しかし、彼らのモットーとも言える「強きをくじき、弱きをたすく」が気になる。
シティにダブルを食らわせ、アウェーでスパーズに勝ち、ユナイテッドとアーセナルに引き分け、“トップ4チャレンジ”をかく乱した。ところが、下位のワトフォードに敗れ、ニューカッスルやブライトンとも引き分け、不振に喘いでいた当時のサウサンプトンにも1-1と勝ち切れていない。
昨シーズンもチェルシー、トッテナム、アーセナル、ユナイテッドに勝利を収めながら、プレミアリーグから降格したハダーズフィールドにダブルの屈辱を味わったり、これまたチャンピオンシップに墜ちていったカーディフにホ負けたり。サウサンプトンにも勝点3をプレゼントしている。
同格以下との試合でポイントを失いがちな原因は、前に出てこない相手を攻めあぐね、焦りから強引になり、隙を突かれて被カウンターというケースが多いからだ。
したがってウルブズのポイントは、対ビッグ6以外のモチベーションをどのように刺激するか、だ。どの試合でもシティにダブルを食らわせたようなプレー強度を再現することが、トップ4入りの最大条件である。