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J8クラブ渡り歩いた“調子乗り世代”。
満了宣告も、希望溢れる第二の人生。 

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

PROFILE

photograph byYu Hasegawa

posted2020/03/08 11:50

J8クラブ渡り歩いた“調子乗り世代”。満了宣告も、希望溢れる第二の人生。<Number Web> photograph by Yu Hasegawa

オーストラリアの独立リーグ、ウロンゴン・オリンピックへの入団が決まった長谷川。Jクラブとは比べ物にならない環境ではあるが、希望に満ち溢れていた。

試合に出れない週はバイトで賄う。

 これまで14年間Jリーグでプレーしてきたことで、選手会から功労金をもらえたことも大きかった。さらに選手としての身体と心作りのために取り組んできたヨガや食事法は、オーストラリアでも学べる。傍から見れば、“過酷な環境”だろうが、長谷川にとっては“ようやく居心地のいい場所を見つけた”、そんな感覚だったのだろう。

「ここはサラリーの払い方が独特で、練習と試合に出て初めてその1週間分の給料が支払われるという形なんです。たとえば怪我した場合は、数週間の保証こそありますが、試合に出られないときはアルバイトをして賄わないといけない。はっきり言って良い環境とは言えませんが、何よりここには僕に対する“情熱”があるんです」

 実はウロンゴン・オリンピックの練習試合に参加した日から、正式加入の回答まで数日空いていた。その間、クラブは『いつOKをくれるんだ!』とずっと彼との契約を待ちわびながら待ち続けてくれた。

「そこまで歓迎されるのは高校時代以来かな」と笑う一方で、「ここはプロ1年目にレンタル移籍していたFC岐阜(当時、東海リーグ1部)にあったような反骨心がある。初心に返ることができる場所だと思ったし、本当にありのままの自分で臨めるんです」と心を躍らせている。

溢れ出す将来へのビジョン。

「サッカーではチームの優勝はもちろん、NPL1、Aリーグの個人昇格も目指す。ピッチ外では、将来的に人材育成に携わる職業や、選手や代理人、トレーナーを繋ぐようなシステムを作りたい。個人でヨガや食事法など学んできたものをプレーヤーに伝えていくような仕事をしたいんです。もちろん海外での活動も視野に入っています。

 将来への目標が溢れているからこそ、それを1つずつ形にしていくために、今この環境を全力で楽しみながら成長していきたいです。まずは3月下旬から9月上旬(プレーオフ進出の場合)までのシーズンを全力でやります。その先はこの半年間で得たものを見て、判断していきたいと思います」

 年齢を重ねて、視野が広がりつつある今だからこそ、サッカー以外にも自分の今後のためにどんどんアクションを起こしていきたい。長谷川悠の新たなチャレンジはサッカー選手として、社会人として、1人の人間として、希望に溢れた選択であった。

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