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巨人・原辰徳監督インタビュー(上)
「“2番・坂本”を今年は投手でやる」 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byKYODO

posted2020/02/27 20:00

巨人・原辰徳監督インタビュー(上)「“2番・坂本”を今年は投手でやる」<Number Web> photograph by KYODO

3年契約の2年目を迎えた原監督。固定観念を破り「他の人がやってないことをやる」と語る。

怒った回数もコーチに対しての方が多い。

――キャンプで練習は元木大介ヘッドコーチらにほぼ任せて、監督はむしろメディアへの対応や選手が練習に集中できる環境作りに専心しているようにも見えました。

「土台ができたということでは、コーチ陣についても同じように言えますね。

 昨年は元木ヘッドをはじめとして宮本(和知)投手チーフコーチら、しばらく野球を離れている人たちを連れてきた。それでも彼らには情熱と野球に対する豊富な知識がある、と評価してのことでした。

 しかし、練習方法であるとか、そういうものについては、去年はほとんど僕が作って構築してきた。だから昨年は選手へのミーティングの回数よりもコーチとのミーティングの回数の方が多かったくらいですよ。怒った回数もコーチに対しての方が全然、多いでしょうね」

固定観念を捨てて、どんどんトライする。

――指導者の育成ですね。

「これは巨人という組織を強くしていくためには、必ずやらなければならないテーマだと思っていました。

 その中で元木をヘッドコーチにして、さらに新しく技術を伝えるコーチが必要だということで石井琢朗(野手総合コーチ)を入れた。率直に言って、すごく良かったと思っています。

 私自身、宮崎と沖縄のキャンプの練習メニューは、ほとんど口を出していない。もちろん思い切った変更というのは、僕抜きではできないこともある。でも、ほとんど今年はコーチに任せてここまで進めてきました。

 そうすることで、コーチの選手への言葉、伝え方も強くなりましたね。僕が言ったことを選手に伝えるのではなく、伝えることに彼らの意思が入っているから、自然と言葉にも強さが出ている。そういうこともあってコーチ陣も同じように6、7のところからスタートできていると思います」

――その中で約1カ月に亘るキャンプを終えて、これからはいよいよ本格的にオープン戦もスタートしていきます。今年のチームの方向性は、かなり見えてきているでしょうか?

「まず1つ、言えることは今年も色々とチャレンジをするということですね。固定観念を捨てて、いいと思うことはどんどんトライしていく。

 去年の僕らは、最初は色々と言われましたけど『いいバッターは(打順の)先に置こうぜ!』ということで、2番バッターに坂本を置いた。それはそれで今年も継続するでしょう。

 でもそれだけではなくて、今年もそういうことはやっていくつもりですし、ピッチャーの方も、もう1回、新しいものを入れてやろうと思っています」

【次ページ】 去年の2番バッターは他のチームからは笑われた。

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