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プロ野球公式戦は開幕できるのか?
コロナの実情と東日本大震災との比較。

posted2020/02/27 11:55

 
プロ野球公式戦は開幕できるのか?コロナの実情と東日本大震災との比較。<Number Web> photograph by KYODO

オープン戦の残り全72試合を無観客で実施することを決めた、プロ野球12球団の臨時代表者会議を終え、報道陣に囲まれるNPBの斉藤コミッショナー。

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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 新型コロナウイルスの感染拡大はスポーツ界にも大きな影を落としている。

 Jリーグが全公式戦の一時延期を発表したのに続いて、プロ野球も2月29日から3月15日まで組まれていたオープン戦の残り72試合と二軍の春季教育リーグ全試合を無観客で行うことを決めた。

 2月26日に行われた臨時の12球団代表者会議で決定されたもので、斎藤惇コミッショナーは「(無観客での実施は)12球団で一致した。球団経営にかかわる大変な問題だが、感染がこれ以上拡大すると、まさに国難になる。苦渋の決断だ」と異例の決定に至った理由を説明した。

NPBの決定の背景には政府の方針が。

 全国的な規模で拡大が進む新型コロナウイルスによる感染症だが、開幕戦で一度は開催に踏み切っていたJリーグが、NPBが無観客試合での開催を決める前日の25日に、3月15日まで予定されていた全公式戦の延期を決定。プロ野球界では巨人がいち早く2月29日と3月1日に予定されていた東京ドームでのヤクルトとのオープン戦を無観客で行うことを発表していた。

 こうした経緯の中で、日本野球機構(NPB)が下した無観客試合決定の背景にあるのは政府の方針だ。

 2月21日の時点でNPBはオープン戦の中止や無観客試合を「考えていない」としていた。

 しかし24日の夜に政府の専門家会議が発表した「これから1、2週間が急速な拡大か収束の瀬戸際」という見解が大きなカギとなった。

 これに伴い安倍晋三首相が、これ以上の拡大を防ぐためにスポーツや文化イベントについても、今後2週間は全国的に中止や延期、規模縮小を政府として要請する方針を表明。これに呼応するようにプロ野球だけでなく、他のスポーツでも公式戦や大会の中止を続々と決定することになった。

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斎藤惇

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