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韓国で17勝、サンチェスの実力は?
巨人の先発投手“苦しい台所事情”。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/01/31 18:00
巨人の入団記者会見を終え、グータッチポーズを取る(左から)チアゴ・ビエイラ投手、ヘラルド・パーラ外野手、原辰徳監督、エンジェル・サンチェス投手。
宮本和知投手コーチの見解は?
「サンチェスというピッチャーが山口の穴を、っていうことだろうけど、日本での実績はゼロ。僕はそこだけには頼りたくない」
キャンプを前に行われたスタッフ会議後にこう語ったのは、投手陣を預かる宮本和知投手チーフコーチだった。
「(残る4人の先発投手枠の中で少なくとも)3人は(若手投手が)欲しいね。ドンドン出てくるのがね。そうすれば相乗効果で(山口が貯金した)11っていうのも埋められるはずなんですよ」
宮本コーチが語るように、若手の底上げがない限り、きちっとしたローテーションを組むこともままならない。
逆に言えばもしサンチェスが期待通りの活躍を見せれば、V2はもちろん、チームの最終目標である日本一奪回への道は一転、クリアに見えてくることにもなる。――それがキャンプを前にした今年の巨人の現実なのである。
まずはシーズンが始まってみないと分からない外国人選手に頼らずに、それでも戦える投手編成をキャンプ、オープン戦を通じてどうできるか。そこで首脳陣の手腕が試されることになりそうだ。