プロ野球亭日乗BACK NUMBER

韓国で17勝、サンチェスの実力は?
巨人の先発投手“苦しい台所事情”。 

text by

鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

PROFILE

photograph byKYODO

posted2020/01/31 18:00

韓国で17勝、サンチェスの実力は?巨人の先発投手“苦しい台所事情”。<Number Web> photograph by KYODO

巨人の入団記者会見を終え、グータッチポーズを取る(左から)チアゴ・ビエイラ投手、ヘラルド・パーラ外野手、原辰徳監督、エンジェル・サンチェス投手。

高い水準だが、バンデンハークほどは……。

 そこでサンチェスのKBOでの数字をみてみよう。

 サンチェスは'18年にSKに入団して1年目は29試合に登板して145回3分の1を投げて8勝8敗。124奪三振の39与四球でK/BBも3.18だった。

 ところが2年目の'19年にはKBOが公認球の反発係数を日本と同じに下げたことで一気にブレーク。昨シーズンは28試合165回を投げて17勝5敗の防御率2.62と成績が大幅アップ。K/BBも148奪三振の42与四球で3.52と3.5をクリアする数字を叩き出している。

 2年目の数字を見るかぎり、日本で成功できなかった投手と比べれば、かなり高い水準の数字を残している。その点ではバンデンハークやグライシンガーのように成功する可能性を秘めた投手であることは間違いない。

巨人の苦しい台所事情。

 ただ、期待は抱けるものの、日本では何の実績もないサンチェスの名前をローテーションの3番手候補として挙げなければならないところに、実は今年の巨人の苦しい台所事情が見て取れる。

 現段階での巨人のローテーションは菅野智之投手を軸に昨年8勝のC.C.メルセデス投手の2人が確定している。ただ、メルセデスは年間を通しての安定感に欠け、大エースの菅野にしても昨年、苦しんだ腰の故障が完治しているかどうかはシーズンが始まってみないと見えてこないのが実情だ。

 そして残る4つの枠をサンチェスを筆頭に昨年の先発転向でブレークした桜井俊貴投手に2年目左腕の高橋優貴投手、先発実績のある田口麗斗投手と今村信貴投手や昨シーズン終盤に売り出した戸郷翔征投手、またドラフト2位の畠世周投手、ドラフト1位の鍬原拓也投手の右腕2人に古川侑利投手や高田萌生投手、大江竜聖投手らの若手が混じって競い合うことになる。

【次ページ】 宮本和知投手コーチの見解は?

BACK 1 2 3 4 NEXT
エンジェル・サンチェス
菅野智之
C.C.メルセデス
桜井俊貴
田口麗斗
今村信貴
戸郷翔征
畠世周
鍬原拓也
古川侑利
高田萌生
大江竜聖
読売ジャイアンツ
高橋優貴

プロ野球の前後の記事

ページトップ