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「ああ、リバプールの一員になった」
南野拓実が移籍初戦で高ぶった瞬間。 

text by

長谷部良太

長谷部良太Ryota Hasebe

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photograph byGetty Images

posted2020/01/06 15:30

「ああ、リバプールの一員になった」南野拓実が移籍初戦で高ぶった瞬間。<Number Web> photograph by Getty Images

デビュー戦こそ持ち味を出し切れなかった。それでも交替時の拍手、クロップ監督の抱擁は南野拓実への期待度の大きさの現れだ。

「このチームでプレーできるとは」

 リバプールは昨季の欧州チャンピオンズリーグを制し、先のクラブ・ワールドカップでも頂点を極めた。

 プレミアリーグでも現在、2位のレスターに勝ち点13差をつけて首位を快走中で、黄金期の入り口にいるような状況。南野はクラブ公式サイトのインタビューで、名門への入団に際しての思いを語っている。

「プレミアリーグでプレーするのは自分にとって1つの目標でした。もちろん世界でトップクラスのリーグだと思っていますし。でもこのチームでプレーできるとは思っていなかったので、それはすごくうれしいし、楽しみですね」

 自分の名前が入ったユニホームを初めて手にすると、少年のように目を輝かせた。

 契約が合意に達してから半月余りが経った今、既に心は落ち着いているようだった。

「選手としては、このチームの一員になれたことはうれしく思います。でも、もうその時期は過ぎたというか。もう今日もピッチの上で何かを示さなければいけなかったと思うし、やっぱりゴールかアシストっていう結果を残したかったかなって気持ちが一番ですね」

やっと試合ができる、ワクワクが。

 パスが来る機会が少なかったことにも言及した。

「オフェンスの部分ではすんなり自分のスペースを見つけて、そこに顔を出して。まあ、ボールが来ない場面は何回かありましたけど、それを続けていけば多分チームメートは分かってくれると思うし、続けていければいいかなと思います」

 冷静に取材に応じていた南野が、少しだけ言葉に感情を込めた瞬間があった。それは、リバプールのユニホームを着て聖地アンフィールドに立った感想を問われた時である。

 プレミアリーグの規定により出場できなかった2日のリーグ戦の試合前、南野はベンチ裏の観客席から名物のサポーターソング“You'll Never Walk Alone”が大合唱される様子を撮影し、自身のSNSにアップしていた。この日の試合前も、大観衆は歌声でチームを鼓舞した。

「試合が始まる前に、『ああ、リバプールの選手の一員になったな』って。改めてというほどでもないですけど。『やっと試合ができるな』っていうワクワクした気持ちがありましたね。(スタジアムの雰囲気は)最高ですね。サッカー選手としては、これ以上ないスタジアムだと思うし」

【次ページ】 「目に見える結果が必要」

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