スミヨンが香港マイルで語ったこと。

　最後にもう1度記すが、外国人騎手だろうが日本人騎手だろうが、個人的にそこに拘りはない。ルメール騎手やデムーロ騎手、そして先日来日して旋風を巻き起こしたL・デットーリ騎手らとは競馬場を離れて個人的にも仲良くしていただいており、人間味溢れる彼等の事を知れば知るほど、国籍などは関係ないと感じる。

　たとえば冒頭に記した香港でのGI勝ちでもこんな事があった。アドマイヤマーズで香港マイルを優勝したC・スミヨン騎手はレース後のインタビューで同馬のオーナーであり、先月亡くなった近藤利一氏について、次のように語った。

「日本を代表する大オーナーの馬であり、その大オーナーが亡くなった事も勿論、知っている上で騎乗しました。だから何としても勝ちたかったし、勝ててホッとしています」

　そう語る彼のパンツの左側では、喪章が風に揺れていた。