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武豊とルメールのお手馬が……。
朝日杯FSに見る「乗り替わり時代」。
posted2019/12/13 18:00
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Satoshi Hiramatsu
現地時間12月8日、香港で国際レースが行われ、4つのGIのうち3つを日本馬が制した。
2001年以来の快挙である。当時は香港ヴァーズを制したステイゴールドに武豊騎手が乗り、香港マイルのエイシンプレストンには福永祐一騎手。そして香港カップを優勝したアグネスデジタルには先日調教師試験に合格した四位洋文騎手が乗っていた。
つまりいずれも日本人ジョッキーであり、国内からのコンビが継続される形での遠征だった。
一方、今回は香港ヴァーズのグローリーヴェイズがJ・モレイラ騎手で、香港マイルのアドマイヤマーズはC・スミヨン騎手。香港カップのウインブライトだけがかろうじて国内からのコンビ継続となる日本人の松岡正海騎手だった。
誰に鞍上を任せるかの最終決定権は馬の持ち主であるオーナーにある。ジョッキーの腕は勝利数や勝率など可視化できるモノだけでは計り知れない点があり、そういう意味で、選ばれるのは「どういう結果になっても後悔しない」と思えるような、つまりたとえ負けても「この人を乗せての結果なのだから仕方ない」とオーナーが納得出来る騎手になる。
だから日本人だろうが外国人だろうが外野がとやかく言う事ではないのだが、'01年と今年の鞍上を比べると、騎手を中心とした競馬の世界が大きく様変わりしていることがハッキリと見て取れる。
朝日杯FSで乗り替わり多数。
そんな流れは国内においても顕著である。
今週末は阪神競馬場で2歳馬のGI・朝日杯フューチュリティSが行われるが、この鞍上がまるでトランプのカードを切るがごとくコロコロと替わっている。
アドマイヤマーズで金星を挙げたスミヨン騎手は2戦2勝のレッドベルジュールの手綱を取る。アドマイヤマーズと同じ厩舎のジュンライトボルトにも前走のベゴニア賞で騎乗して2着になっているが、同馬の鞍上は岩田康誠騎手に任される事になった。