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武豊とルメールのお手馬が……。
朝日杯FSに見る「乗り替わり時代」。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2019/12/13 18:00
アドマイヤマーズはNHKマイルCに続くGI制覇。11月17日に亡くなったオーナーの近藤利一氏に捧げる勝利となった。
今年4勝の原田にとって待望の初GI。
原田騎手は25歳、関東、美浦所属のフリーのジョッキーだが、プリンスリターンは関西、栗東で開業する加用正調教師が管理する馬である。
7月6日、函館競馬場で行われた芝1200メートル戦でコンビを組んでデビューし見事に優勝すると、その後、前走のききょうSを制すまで4戦連続でコンビを継続している。
これがリーディングを争うようなトップジョッキーなら決して不思議な事ではないが、先述した通り、昨今では少々のトップクラスのジョッキーでも乗り替わりが当たり前という時代。
原田騎手は昨年が1勝で今年も4勝(うち1勝は障害レース)と数字だけを見れば決してトップクラスとは言い難い成績しか残せていない。にもかかわらずプリンスリターンにとって初GI挑戦となる今回もコンビが継続された。
独自姿勢を貫く“マイネル”。
外国人ジョッキーへの乗り替わりを悪く言うつもりはこれっぽっちもないが、物語的にはひと昔前によく見られた浪花節的なパーツがひとつ欠けてしまった感は否めない。
そういう意味で、このプリンスリターンと原田騎手のような話が是非、今後、大きな広がりをみせる結果となって欲しいと願う。
ちなみにこのプリンスリターンと先述したウイングレイテスト、そしてこれまたコンビ継続となるマイネルグリットのオーナーは全て同じ“マイネル”傘下。このオーナーグループは昔からそうだが、流行りの風に流される事なく、独自の道を行く姿勢を貫き通している点が素晴らしい。