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武豊が手にした朝日杯制覇チャンス。
馬券的にも「2強」より美味しい?
posted2019/12/14 19:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
一昨年と昨年の2年連続、過去10年では6頭の若駒が、ここを勝って無敗で2歳王者になっている。
2009年ローズキングダム、'11年アルフレード、'13年アジアエクスプレス、'15年リオンディーズ、'17年ダノンプレミアム、'18年アドマイヤマーズといった馬たちだ。
今年の第71回朝日杯フューチュリティステークス(12月15日、阪神芝外回り1600m、2歳GI)にも、「無敗の2歳王者」となる可能性のある馬が3頭いる。
なかでも、血統、馬格、そして過去2走の勝ちっぷりから、主役と目されているのは、新馬戦とサウジアラビアロイヤルカップを連勝中のサリオス(牡、父ハーツクライ、美浦・堀宣行厩舎)である。
前走のサウジアラビアロイヤルカップは、直線で牝馬のクラヴァシュドール(阪神ジュベナイルフィリーズ3着)と叩き合い、1馬身1/4突き放した。4カ月の休み明けでありながら、1分32秒7という2歳コースレコードでの勝利。
540キロの雄大な馬体には、さらなるポテンシャルを秘めているように感じられた。
新馬戦も前走も、ともに上がり3ハロンメンバー最速の33秒1を叩き出している。母サロミナはドイツのオークス馬と、母系も一流だ。
新馬戦はダミアン・レーン、前走は石橋脩、そして今回はライアン・ムーアと毎回鞍上が替わっているが、陣営が「操縦性がいい馬」とコメントしているし、ムーアならマイナスになることはないだろう。
レッドベルジュールが2強の一角か。
そのサリオスと「2強」を形成しそうなのが、レッドベルジュール(牡、父ディープインパクト、栗東・藤原英昭厩舎)である。
こちらも新馬と重賞を連勝中。前走のデイリー杯2歳ステークスは約4カ月の休み明けで、新馬戦からプラス28キロの478キロで出走した。出遅れて後方からの競馬になったが、直線で最内から鮮やかに抜け出し、1馬身半差で勝利をおさめた。
新馬戦は福永祐一、前走は武豊、そして今回はクリストフ・スミヨンと、この馬も毎回騎手が替わっている。
もう1頭の無敗馬は、ダートの新馬、特別を連勝しているタガノビューティー。2戦とも完勝だったが、初の芝のレースでこのメンバーではさすがに苦しそうだ。