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引退語るも「丸く」はなってない!
本田圭佑「僕の生き方を見て判断して」
text by
本田千尋Chihiro Honda
photograph byGetty Images
posted2019/12/12 07:30
「ある意味、半年間プレーしていないので引退選手みたいな」と入団時に語った本田圭佑だが、実際の試合ではブランクは感じなかったそう。
「引退どうこうというところは、する可能性は常にある」
そして本田は、「もう若くない」ともしっかりと口にする。
怪我のリスクについて質問を受けた時のことだ。
「もう若くないので自分の体のことは分かっている。もし危険だと思ったり、疲れたと思えば自分から監督に交代を申し出る」
このように自らを熟年のプレイヤーとして意識しつつ、一方で、東京五輪を見据えた今季を、キャリアの集大成として位置付けているわけではないのだ、とも言う。
とある日本人の記者に対して、本田は「変に『引退』という概念は持っていない」と答えた。
「ある意味、半年間プレーしていないので引退選手みたいなもんですし、今の自分自身。でも、自分で鍛えていたら試合に出られるということを証明できるかどうかが、今週末の試合(11月24日のスパルタ・ロッテルダム戦)だと思っています。引退どうこうというところは、する可能性は常にあるし、だから契約を1年契約にしたし、今後どこと契約するかっていうのは、縁次第かなあと。いずれにしても体は常に、死ぬまで鍛えるんじゃないかなと思います」
晩秋のひっそりとした入団会見で、本田は、「引退という概念は持っていない」と言いつつ、さりげなく「引退」を「する可能性は常にある」とも口にしたのだ。
「あまりブランクは感じないです」
そしてフィテッセでの戦いが始まった。
会見で「さあ本田圭佑どうなるんだろうな」と自ら語り、楽しみにしていた11月24日のスパルタ・ロッテルダム戦では、トップ下で先発出場して81分間プレー。主にボールを動かして潤滑油の役目を担った。続く11月29日のSCヘーレンフェーン戦では、1列下がってボランチのポジションで先発。移籍加入後、2試合目にしてフル出場を遂げている。
この2試合とも、フィテッセは勝つことはできなかったが、ヘーレンフェーン戦の後で、本田は「あまりブランクは感じないです」と振り返っている。
「自分が挑戦していることが新しいので、これまでと同じことをやっていたら比較できるんですけど、そういう意味では、自分が『次のステージ』に移ってプレースタイルが変わってきているので、手応えのある部分と反省(する部分があるの)はこれまで同様変わらないです。だから、あまりブランクは感じないですけど。
実際に2試合これだけやって、全然体もイケているので、それだけでも非常に収穫かなって思ってるんですけど、やっぱりチーム状況だけがね、なかなか。こういう時は雰囲気に飲まれないようにしないと、うん、特に若い選手は、こういう時は自分のことばっかり考えちゃうので」