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引退語るも「丸く」はなってない!
本田圭佑「僕の生き方を見て判断して」
posted2019/12/12 07:30
text by
本田千尋Chihiro Honda
photograph by
Getty Images
“終焉”を意識しているのだろうか。
本田圭佑は、「引退」という言葉を口にした。
「引退に向かっているし、当然ながら死にも向かっている」
12月8日、すっかり陽は短くなり、木の葉も落ちて、初冬の気配が漂うオランダ、アーネムの街――。
エールディビジ第16節、対フェイエノールト戦。自信を失っているチーム同士の試合で、本田は、0-0のまま迎えた81分から途中出場した。センターFWのティム・マタフス、10番のリーシェドリー・バズール、そして6分早くピッチに入ったジェイ=ロット・グロットのアタッカー陣をサポートすべく、金髪の背番号33は精力的に動く。
「『チームのバランス』だと思います」
この33歳のベテランは、「チームのバランス」を見極め、一歩退き、積極的に“引き立て役”を担った。
「見ての通り中盤が分断されていたので、ティムがまだプレーしていて、ジェイが僕より前に試合に出ているわけですから、僕が入って僕が得点だけ狙いにいったらどうなるか。明らかですよね。後はバズールも典型的なやりたいようにやるタイプなので、じゃあ僕が入って僕もやりたいようにやっていいのか、という話になってくる。『チームのバランス』だと思います」
そのスタイルは、かつて2部に落ちたVVVフェンロで、髪を金色に染め上げ、試合前に吐き気を催しながらゴールを量産していた11年前とは、まるで異なるものだ。
「今21歳で、これからオランダでキャリアを刻むんやったら、中盤を放棄して、得点だけを狙いに行きますけど、さすがにそういう立ち回りは10年前とは変わっているわけで。
中盤が分断されているということを、気にかけないわけにはいかない年齢で、経験値を持っています。オランダでプレーしている他の日本人選手とは立場が明らかに違うから、当然そういう役回りになりますよね」