ゴルフPRESSBACK NUMBER
「メジャー制覇」と「金メダル」宣言!
有言実行の20歳、畑岡奈紗の野望。
posted2019/12/02 10:00
text by
南しずかShizuka Minami
photograph by
Shizuka Minami
11月24日、アメリカ・フロリダ州。最終日18番、畑岡奈紗はパーパットを沈めた。米女子ツアー3年目を終えた瞬間であった。
今季は日米の両ツアーで計3勝を挙げた。
3月の起亜クラシックの勝利は、日本勢史上最年少の米女子ツアー3勝目である。国内ツアーの2勝は、いずれもメジャー制覇。9月の日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯は2位に8打差、10月の日本女子オープンゴルフ選手権は2位に4打差をつけて圧勝した。
圧巻の勝利にSNS上では「畑岡、強すぎる」、「メジャー2連勝とはさすがの一言」、「日本の女子選手のなかではアタマひとつ抜けてます」とゴルフファンの驚嘆の声が相次いだ。
あらゆる要素で評価の高い選手だが……。
「なんでそんなに強いのか」と畑岡をよく知る方々に話を聞くと、興味深い答えが返ってきた――人によって意見がバラバラなのだ。
米女子ツアーを代表するあるトップ選手は「ショートゲームとパッティングのうまさ」に感心し、フィジカルトレーナーらは「下半身が強いこと。また、止めるまでやり続ける練習の虫」と口を揃えて言う。
何か1つ飛び抜けた長所があるというより、オールマイティということらしいのだ。
そんな中、元アマチュア世界ランク1位で現ゴルフチャンネルのラウンドレポーターを務める片平光紀は、畑岡の最大の長所として「メンタル面」をあげた。
「強風でも負けない球を打つことができる下半身の安定性もすごいですが、何よりも“気持ちがとても強い選手”です」(片平)
どう強いのかとさらに詳細を聞くと……例えば、畑岡は試合会場内のリーダーボードを試合中に見ることをまったく恐れないという。リーダーボードで自分や他の選手の順位を確認して、もっとスコアを伸ばすぞと気合いを入れ直すことができるのだ。
一般的には、頑なにリーダーボードを見ない選手の方がが多い。順位を知ることで、余計なプレッシャーを感じてしまいプレーに影響が出ることを避けるためである。