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シブコは最後までよく笑っていた。
激動のプロ1年目、来季の課題は?
posted2019/12/03 20:00
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph by
Yoshihiro Koike
ポケモンを全クリして、あまおうをめっちゃ食べたくて、濃いぃラーメンも食べたくて、家の周りを車でうろちょろして、クリスマスには親知らずを抜く。あ、そして来年はまず東京オリンピックのことしか考えられない。
そんなゴルファーっている? いた。
渋野日向子だ。
宮崎カントリークラブで行われた国内女子ツアー最終戦、LPGAリコーカップの最終日。8月に全英女子オープンを制して一躍時の人となった渋野の1年の締めくくりのラウンドでもあった。
結果は3バーディー、1ボギーの70で回り、トップと4打差の2位タイ。賞金ランク1位の鈴木愛には約750万円及ばず、逆転女王は叶わなかった。それでもツアー1年目のルーキーが最終日のバックナインまでその可能性を残し、優勝争いの、そして賞金女王争いの興味をつないだ。望外の結果だろう。
優勝が潰えた18番でも笑っていた。
激動の1年を終えて少しぐらいは感傷的になってもよさそうなラウンドの後、かいつまんで言うと冒頭にあるような、そんなようなことを渋野は記者会見で言った。
そんな人いますか?
首位のペ・ソンウ(韓国)との差が開き、優勝の可能性がほぼ潰えていた最終18番パー4。渋野は彼女らしくよく笑った。このホールはまるで渋野の今シーズンになぞらえることもできるようなプレーだった。