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「メジャー制覇」と「金メダル」宣言!
有言実行の20歳、畑岡奈紗の野望。
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byShizuka Minami
posted2019/12/02 10:00
米ツアーでのメジャー制覇を堂々と口にする畑岡奈紗。有言実行の恐るべき20歳から来季も目が離せない!
目標を着実に実現させるという厳しい姿勢。
畑岡の気持ちの強さは、今年の目標にも如実に現れていた。
「4日間大会で勝つこと」
「メジャーに照準を合わせること」
弱冠20歳で海外メジャーを「本気で」狙いにいくと宣言する日本人選手というのは、畑岡が初かもしれない。
事実、これまでも畑岡は有言実行してきている。起亜クラシックの勝利で「4日間大会での優勝」という目標はすでに達成したわけだ。残す目標は――メジャー制覇だ。
ところが、である。
メジャーに関しては、第3戦となるKPMG女子PGA選手権の14位が最高位で、どのメジャーでも優勝争いに絡むことができなかったのである。
「(試合で)ミスが出た時に備えて、ボールの打ち分けとか冷静に練習できていたら、もう少しまとまったプレーができていたかもしれないです」
メジャー第2戦全米女子オープン選手権の予選落ちについて、畑岡自身が振り返ってくれた時のコメントだ。
調子が良すぎても優勝できない!?
実は、この全米女子オープン選手権の前週の大会では2位という好成績を収めるていた畑岡。今季の目標通り、メジャー優勝に届きそうな良いコンディションで本番を迎えたことが、かえって裏目に出てしまったということか……強い気持ちが空回りしてしまったのである。
冷静になれなかった要素は他にもあった。
予選ラウンドで、比嘉真美子と成田美寿々という日本の先輩と同組になったことがプレーに影響を及ぼしていた。国内ツアーの選手は海外勢よりプレーのテンポが早い。そのため、自らのゴルフのリズムを乱して集中力を欠いてしまった感があったようだ。
誤解しないでいただきたいのは、当然のことながら日本勢のプレースタイルにはなんの非もないということだ。「アメリカ本土で日本人選手と一緒に回る」という慣れない雰囲気の中で、畑岡が自らペースを乱してしまい本来の力を出しきれなかった、というだけの話である。